ニュース
リニューアル後の「黄金の味」は不調? エバラの見解は:通期売上を下方修正(2/2 ページ)
エバラ食品工業が「リニューアルした『黄金の味』の市場浸透に遅れが生じている」と発表。2018年3月期の通期売上高を下方修正した。エバラの“看板商品”はなぜ伸び悩んだのか。担当者に話を聞いた。
なぜ「黄金の味」は伸び悩んだ?
ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、同社は「流通のタイミングを読み間違え、スーパーなどの取引先に旧商品の在庫がある状況で新商品を供給してしまった」(経営企画部 グループ企画課、以下同)と市場への浸透が遅れた理由を説明する。
「当社側は一斉に商品を切り替えたかったが、取引先は返品を防ぐために売り切ることを優先させた。そのため、旧商品の在庫が完売するまでは新旧両方の商品が市場に混在した状況が続いた。新商品が広く流通し始めたのは、発売から1カ月後の8月頃だ」という。
風味については「顧客は新しい味を気に入っていると判断しているが、一部から『前の味も良かった』との指摘が届いていることは事実」とした。
拡販・販管費用を抑えたワケは
エバラのIR資料によると、「黄金の味」の拡販・販管費用を抑えたことも経常利益・最終利益の上方修正に寄与したという。一連の経緯によって新商品が苦戦している中で、なぜ宣伝に投じる費用を削減したのか。
エバラは「競合他社も含め、市場では焼肉のたれの“値下げ合戦”が続いている。当社は新商品の品質に自信を持っているため、あえて宣伝費用を抑えることで価格面の競争力を保つ方針をとった」と説明する。
今後の「黄金の味」の販売戦略については「現在詰めている段階で、決定事項はない」という。エバラは40年にわたって愛されてきた定番商品をより多くの食卓に届けられるのか。注目である。
関連記事
- お好み焼きは主食? おかず? 調査結果は……
約6割の人がお好み焼きをおかずとして食べている――5月7日の「コナモン」の日を前に、オタフクソースがこのほど実施したアンケート調査でこんな結果が出た - 新幹線で「たこ焼き」はNG? JR東海の見解は
新大阪駅改札内で販売されているたこ焼きには「新幹線車内と駅内で食べないで」という注意書きが貼られている。JR東海にその理由を聞いたところ……。 - かっぱ寿司、最終黒字 “崖っぷち”のかっぱはよみがえるか
「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトが18年3月期の連結業績を発表。減収なるも最終黒字に転換した。「食べ放題」などの施策はどのような結果を生んだのか。 - スシローの進化についていけなかったかっぱ寿司
かつて業界をリードする立場だったかっぱ寿司が、競合他社に次々と追い抜かれている。逆転を許してしまった背景にはいったい何があるのだろうか。 - 「指混入」だけじゃない 幸楽苑が日高屋に負けた理由
ラーメンへの異物混入事件でブランドイメージを大きく損なった幸楽苑。この事件が現在に至るまでの不振の原因として指摘される。しかし、本質的な敗因は別のところにもあった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.