初の決算会見に臨んだKDDI高橋新社長、「ブロッキング」「楽天参入」にコメント:一問一答(1/2 ページ)
KDDIが2018年3月期の決算会見を開催。4月からKDDIの新社長に就任した高橋誠氏が登壇し、報道陣との質疑応答に応じた。海賊版サイトのブロッキング問題や、楽天の参入についても言及した。
KDDIは5月10日、2018年3月期の決算会見を開催した。会見には田中孝司前社長の後を継ぎ、4月からKDDIの新社長に就任した高橋誠氏が登壇。報道陣との質疑応答に応じ、今後の方針について語った。「漫画村」など海賊版サイトのブロッキング問題や、楽天の参入についても改めて言及した。
――「漫画村」など、海賊版サイトのブロッキングについてKDDIの方針を聞かせてほしい
高橋社長: 問題視されている3つのサイトは、全て閲覧できなくなっているのが現状だ。通信の秘密も含めてさまざまな議論が起きているため。慎重に対応していきたい。
――楽天の参入についても、改めてコメントしてほしい。
高橋社長: 正直、競争者が増えることになる。米国は(米SprintとT-Mobile USの合併によって)4社が3社になったりしているが、日本では3社が4社になるわけだ。あまりいい気はしない。
ただ、私はもともと競争論者で、競争がよりよいサービスを育てると考えている。そんな私から見ても、下りの速度が制限されそうな周波数や、6000億円という設備投資額はやや少ないのではないか。
彼らがインターネット通販(EC)から通信業界に参入してくることはラッキーだ。「楽天に対抗して、われわれはライフデザイン事業を強化する」と現在の方針を正当化できる。
総務省の見解をどうみる
――「アップグレードプログラムEX」(48回払いでスマホを購入した際、24カ月使用した後に機種変更した場合は残りの割賦金を無料にするサービス)の利用率はどうか。
高橋社長: 数字は出していないが、ほとんどの(「ピタットプラン」「フラットプラン」の)ユーザーに加入いただいており、受けのいいサービスだと考えている。
――(「アップグレードプログラムEX」のような)“4年縛り”に対し、総務省の「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」では批判の声も出ている。どう捉えているか。
高橋社長: 総務省は現在検討中で、方針が決まり次第ガイドラインを出すとのこと。その内容を真摯(しんし)に受け止めてに対応していきたい。
――「契約から丸2年たったのに、2年縛りをやめられない」といった批判も出ているようだが。
高橋社長: そのような指摘があることは認識している。これについても総務省で議論しており、ガイドラインが出るようだ。その後に対応する。
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