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出荷量が4年で7倍 ピーチの「龍角散」人気の秘密:工場もフル稼働(3/3 ページ)
青いラベルでおなじみの「龍角散」を飲みやすくした「龍角散ダイレクトスティック ピーチ」がバカ売れしている。従来の龍角散は微粉末の状態で缶に入ったものだが、同商品は顆粒にしてスティックに入れてある。人気の秘密は飲みやすさ以外にもあった。
なぜ中国人観光客が支持しているのか?
龍角散ピーチが中国人観光客に支持される理由はいくつか考えられる。まず、中国では都市部を中心に大気汚染が深刻な問題となっており、品質が高いと評価されている日本製のど薬の需要は多い。また、コンパクトなサイズでそれほど価格が高くないので、知り合いや親類に配るお土産に適していることもある。
龍角散の広報担当者は別の要因として「地道なPR活動でインバウンド需要を作り上げてきたことが奏功した」と説明する。同社はインバウンド需要が注目される前から、現地の旅行者向けのフリーペーパーに広告を掲載し続けてきた。10年に中国人個人観光客向けのビザが緩和された際、当時の経営陣がビジネスチャンスと考え、積極的なPR活動を行ったのだ。
こういった活動の成果が徐々に浸透していった。龍角散ピーチ以外にも、龍角散(微粉末)や「龍角散ののどすっきり飴」シリーズも訪日観光客に売れる商品に育っている。
17年度における同社の売上高は約176億円だが、インバウンドに起因する売り上げは約3割にものぼる。「中国の方にとって生活に欠かせないものとして認識された」(同社広報)ことが、龍角散の売り上げアップに大きく貢献しているようだ。
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