日大アメフト部の監督に逆らえば、「路頭に迷う」は本当か:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
日大アメフト部の選手が、関学の選手に悪質タックルを仕掛けた問題がヒートアップしている。一歩間違えれば大ケガにつながってしまうかもしれない行為を、なぜ選手は行ったのか。その背景には、監督に独裁者としての顔があって……。
名門「日大フェニックス」の名が泣いている
日大アメフト部にはカリスマ指導者として知られる故篠竹幹夫監督が徹底したスパルタ指導のもと、強豪へと上り詰めた歴史がある。「サムライスピリット」と呼ばれた独特な篠竹イズムを日大OBの内田氏は同監督体制下のヘッドコーチとして体感し、2003年から指揮官に就任した。16年に一度は監督から勇退したが、自身が外れて同部が低迷したことで周囲の強い要望を受けて再び指揮を執っている。前出の同大OBはこう補足した。
「昨今のスポーツ界はスパルタが時代錯誤と言われ、日大アメフト部内の指導法も見直されたが、その裏で内田監督は篠竹イズムを捨てずに受け継いでいたところもあった。試合前のミーティングで『相手を殺れ』とか『何が何でもぶっ壊せ』といった物騒な指示を飛ばしていたのは誰もが知っているところ。
ただ、この言葉には“ルールの範囲で”という意味合いが込められていることを、言われた選手も自分で判断しなければいけない。今回の一件で指摘されているように、露骨な形で監督から『反則をやれ』と指示されたことが本当ならば……。やはり、あの日大アメフト部の監督第一主義になっている異常な環境下では選手も催眠術にかけられるかのごとく、実行せざるを得なくなってしまうのかもしれない」
個人的には少なくとも内田監督が“首謀者”として全面的な関与を認めて謝罪し、指揮官から退任しなければ、この問題の終息にはつながらないと思う。当然、期間限定の対外試合禁止などチームにも活動自粛の処置が求められてくるだろう。栄光の名門・日大フェニックスの名が泣いている。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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