コラム
本当に、ATMで硬貨を取り扱う必要があるのか:再考の余地(3/3 ページ)
厳しい経営環境を迎えている金融機関のコスト削減の対象の1つがATM。本当に今のような高機能、特に硬貨の取り扱いが必要なのだろうか。メガバンクによる共通化を機に、再考の余地はありそうだ。
一方、現金の預け入れに関しては異論があろう。売上金の現金を会社や店に置いておきたくないのでATMから預けるというケースがよくある(営業終了が遅い場合は夜間金庫のほうが主流かもしれない)。売上金全額を預けたいとなると端数の金額となって、「硬貨も取り扱ってくれ」となりそうだ。
しかし硬貨を扱わないATM専用のセブン銀行「売上金入金サービス」が(24時間営業ということもあって)人気であることを見ると、多くの会社・店では必ずしも売上金全額を預ける必要があるわけではなく、多額の現金を会社・店に置いておきたくないだけなのだと考えられる。つまり硬貨を扱わないATMでも十分役に立てるということだ。
結論としては、小銭への両替にATMを利用している取引先が多くなければ、共通仕様のATMから硬貨取り扱いの機能を抜いても大した問題はないのではないか。(日沖博道)
日沖博道氏のプロフィール:
パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。日本BPM協会アドバイザー。
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