2015年7月27日以前の記事
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関西ローカルなのに知名度は全国区 「551蓬莱」が成長続ける理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

関西を中心とした2府4県に出店している551蓬莱。名物の豚まんがおみやげとして支持され、現在も成長を続けている。関西ローカルな企業なのに知名度は全国レベルだ。人気の秘密とは?

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豚まんの具にニンニクは入っていない

 豚まんの具は豚肉とタマネギだけで、あとは調味料を加えただけの非常にシンプルなものだ。豚肉とタマネギの分量は半々で、ニンニクは使用していない。調味料もしょうゆ、塩、こしょう、うま味調味料と家庭にあるものばかりで、つなぎにはデンプンが使われている。

 豚肉は普通ならミンチを使うが、551蓬莱では2ミリ弱ほどのサイコロ状にカットして、食感とうま味が出るように工夫している。産地は「メキシコ産」「カナダ産」「国産」を織り交ぜて調達している。使用する部位は「もも」「腕」「バラ」だ。腕は赤みが強くパサっとした食感、バラは脂身が強い性質があるので、バランスの取れたももと合わせて大衆性のある味に仕上げている。

 タマネギは淡路島産を中心に使っている。淡路島産は糖度が高くて厚みがあり、ブランドとして確立されている。時期的に調達できない場合も、淡路島産と同等のレベルに達したタマネギを仕入れている。もともとは大阪府南部の泉州産タマネギを使っていたが、宅地化により生産規模が縮小してきたのと、98年に明石海峡大橋が開通して淡路島産が陸送できるようになったのを機に、切り替えていった。

 ちなみに、2番人気のシューマイには豚まんと同じ豚肉とタマネギを使用しており、調味料の配合を変えることで、全く違った味の商品に仕上げている。他の商品を圧倒する1番人気と2番人気の商品の具材が同じで、しかも豚肉とタマネギだけというのは、もうけの仕組みという観点からすると理想的だ。

 当日使う素材は、朝に工場でカットしている。作り置きしないので、いつも新鮮な豚まんがお客に届けられる。工場はお店から販売状況の報告を受けて追加生産していおり、お店の需要予測と工場の生産調整が連携した製販システムが構築されている。

 551蓬莱では売れ残り品のタイムセールを行わない。いかに豚まんを切らさず、食品ロスを最小限に抑えるかは店長の力量にかかっている。現状、「店長力」が全体的に上がっており、販売好調の要因となっている。

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店舗における豚まんの製造風景
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豚まんを蒸す風景

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