スゴ腕営業マンが実践する、「振り子の法則」とは何か:できる人の共通点(2/4 ページ)
モノやサービスが溢れているので、「何を選んでいいのか分からない」といった人も多いのでは。そうした消費者が多いなかで、営業の担当者はどのように売り込んでいけばいいのか。「快」と「不快」の感情を揺さぶることで……。
「振り子の法則」とは何か
「買いたい!」というプラスの感情と「買わなきゃ損する」というマイナスな感情――。この振り子のような両極端の感情に揺さぶられることで、あなたが扱っている商品やサービスが売れるというのが振り子の法則だ。
仮にあなたが法人の保険営業だったとしよう。ここでの「快」は「この保険は他の商品に比べて圧倒的に利回りがいいですよ!」といったセールストークになる。だが、スゴ腕の営業マンはこれだけでは終わらず、「不快」もうまく活用する。
「最近の若者はしっかりしてるので、退職金の用意ができていない会社の離職率がすごく高くなっているらしいですよ」といったように一瞬不安をあおるような一言を発する。そうすることで、より相手の感情を揺さぶり、買いたいという気持ちにさせるのだ。
不動産の営業マンだとしたら「立地的にも最高ですし、2年後には新しい駅もできるので値上がりする可能性が高いですよ」と言ったあと、「この家の耐震構造が気になりますね。もし直下型地震が発生すると……」といった具合に「快」と「不快」の感情をコントロールするのだ。
ポイントとしては「快」と「不快」の両方を訴求すること。人は不快があるからこそ快が増幅されるからだ。スポーツでも、辛い練習の経験があるから、試合に勝った時に喜びが倍増する。努力もなしに、最初からうまくいくと、それほど嬉しくはないし感動も少ない。
感情を動かせないとモノは売れにくいと伝えたが、先ほどのセールストークのように、感情の振り子を「不快」に大きく振ることで、より「快」が増幅され、購買意欲が増す。「快」の訴求だけでは人は動きにくい。動いたとしても一時的なものだ。だが、「不快」だけでは押し売りのように受け取られるので、両方をしっかりと伝えることが重要となってくる。
関連記事
- 売れない営業マンが知るべき、2つのフレームワーク
精一杯がんばっているのに営業成果がなかなか上がらない――。ついついこんな言葉を口にしたことがある人も多いのでは。仕事をしていると、なぜこのような不満が出てくるのか。その理由は……。 - 「定期的な異動が生産性を落としている」説は本当か
新年度がスタートした。新たな部署に配属されて、「うまくやっていけるかな」と不安を感じている人も多いのでは。4月に「定期人事異動」を導入しいている企業は多いが、このシステムは本当に効率的なのか。ひょっとしたら生産性を落としているかもしれない。 - 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - なぜオジサンは「孤独」の犠牲者になりやすいのか
会話をあまりしなくて、困ったときに頼れる人がいなくて、近所付き合いもしないオジサンがいる。こうした「孤独」な状況になぜ追い込まれたのか。『世界一孤独な日本のオジサン』の著者、岡本純子さんに話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.