スゴ腕営業マンが実践する、「振り子の法則」とは何か:できる人の共通点(3/4 ページ)
モノやサービスが溢れているので、「何を選んでいいのか分からない」といった人も多いのでは。そうした消費者が多いなかで、営業の担当者はどのように売り込んでいけばいいのか。「快」と「不快」の感情を揺さぶることで……。
売り手と顧客の関係がなければいけない
人は希望か恐怖で行動するケースが多いと言われている。特に、緊急的に動くのは「恐怖」である。例えば、百貨店で買い物中に「1階で今からクラシックの生演奏があります」とアナウンスが流れても、有名な人でなければすぐに1階に行く人は少ないだろう。しかし、「火事が発生しました!」とアナウンスが流れれば、ほとんどの人が慌てて外に出る。
「快」は「希望」で「不快」は「恐怖」とも置き換えられる。そういう意味では、「快」だけではその場で買わない人もいるかもしれないが、同時に「不快」を訴求することで、その場で即買うという行動が生まれやすいことになる。
この振り子の法則を単に手法としてのみ使用すると、先ほども言ったように、あおり営業、押し売り営業になりかねない。ベースは売り手と顧客の人間関係、信頼関係があってこそ有効なのだ。イメージとしては、お客ではなく友人に売る。あなたの友人がよりよくなるのはあなたの喜びであるだろうし、あなたの友人が損している、このままでは困る、ということならあなたも心が痛むはず。友人に寄り添い、共に悩みを解決するイメージで顧客に寄り添い、振り子の法則を使ってほしい。
ありふれた言葉だが、どこまでいっても「やり方」より「あり方」が最も大切である。振り子の法則をより有効に使用するために、勧めたいことがある。それは、あなたのお客さんになるであろう「顧客と非顧客」に徹底的にヒアリングすることだ。例えば、「現在困っていること」「現在の悩み、課題」「どんな生活を送りたいか」などを聞く。
これは顧客にとっての「快」と「不快」を明確にするという作業だが、顧客とはあなたの友人である。その友人の悩みを解決し、よりよい未来に導くためにあなたは営業をする。決してあなた自身がよくなるためや、あなたが不利益になることを知っても相手には意味がない。あくまで顧客にとってのメリットとデメリットを知ることが押し売りにならない秘けつだろう。
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