アメフト「悪質タックル問題」で日大学長が会見 2時間熱弁も真相見えず:一問一答を詳報(4/5 ページ)
アメフトの「悪質タックル問題」について、日本大学の大塚吉兵衛学長が5月25日に記者会見を開催。「ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪した。報道陣との質疑応答では、「内田前監督と深く話したことはない」などと述べた。
理事長が会見する予定はない
――なぜ大塚学長は1人で会見しており、田中英寿理事長は登壇していないのか。
大塚学長: 運動部の責任者を私が担当しているからだ。
――理事長が会見に出てくることはないのか。
大塚学長:理事長だからという理由だけで、会見に出すことは特に考えていない。
――24日、日大教職員組合が声明文を発表し、田中理事長の記者会見を求めた。これはどう考えているか。
大塚学長: 声明文の現物は見ていない。今回は責任者である私が会見を行っているが、それ以上は判断しかねる。
司会はマスコミにいら立っていた
――内田前監督の会見を見ていたとのことだが、司会を務めた米倉氏の態度について感想を教えてほしい。
大塚学長: 態度としては良くなかったが、マスコミの方が同じ質問を何度も繰り返すことにいら立ったようだ。内田前監督の体調を気遣い、「もう十分ではないか」と思ったのではないだろうか。
――広報の米倉氏は「日大ブランドは落ちない」と言っていた。学長はどう捉えているか。
大塚学長: ブランドにある程度の影響は出るのはやむを得ない。今後は改善したい。批判を真摯(しんし)に受け止めて、ブランドや名が落ちないよう努力しなければならない。
――アメフト部以外の学生への、騒動の影響は。
大塚学長: 就職活動の時に「この問題をどう思うか」などの質問は(企業から)出そうだ。だが、企業には別の質問をしてもらいたいと感じている。関係のない学生が、就職の部分でハンディキャップを負うことがないようお願いしたい。
――反則行為に対する謝罪文は、日大アメフト部の公式Webサイトに載っているが、(学校法人としての)日大公式Webサイトには載っていない。これはなぜか。
大塚学長: 問題はグランド内で発生し、アメフト部が書面でのやりとりで解決を図っていたため、部や関東学生アメリカンフットボール連盟が解決できるという考えのもと、大学としての対応をしてこなかったことは事実だ。
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