KDDIとNetflixが提携 「動画配信」を5G時代の切り札に:7年越しの交渉実る(1/2 ページ)
KDDIが、米Netflix日本法人と業務提携すると発表。スマホの通信料金と、動画配信サービス「Netflix」の月会費などをセットにした新プランを今夏から提供する。高橋誠社長が会見で狙いを語った
KDDIは5月29日、米Netflix日本法人と業務提携すると発表した。auスマートフォンの通信料金と、動画配信サービス「Netflix」の月会費などをセットにした新プラン「auフラットプラン 25 Netflixパック」を2018年夏以降に提供開始する予定。
1カ月当たり25GBのデータ通信料金、Netflixの月会費、KDDIの動画配信サービス「ビデオパス」の月会費がセットで、価格は月額7000〜8500円(税別、以下同)。映画やドラマが好きな層が主なターゲット。通勤・通学中などに質の高いコンテンツを視聴したい――というニーズに応える狙いがある。
25GBのデータ容量をフルに使用すると、1カ月間に約100時間の動画視聴が可能。約100時間は平均的な世帯のテレビ視聴時間に相当するため、最適な分量だと判断したという。
契約の翌月から1年間の期間限定で、1000円を割り引く特典も設ける。各種割引サービスと組み合わせると、音声通話を含めた月額料金を5500〜6500円に抑えられる。
7年越しの交渉実る
Netflixは1997年創業。2007年から動画配信サービスを始め、現在は世界190カ国に約1億2500万人のユーザーを抱える。KDDIは上層部が旧知の仲であるほか、「ビデオパス」と重複するコンテンツが少ないことからNetflixをパートナーに選んだという。
ビデオパスはauユーザー向けの動画閲覧サービスで、アニメや日本のドラマなどを多くそろえる。テレビ朝日や映画制作会社のアスミック・エースからコンテンツの提供を受けている。現在は100万人以上のユーザーが存在するが、さらなる発展に向けてプランに組み込んだという。
KDDIの高橋誠社長は「始めてシリコンバレーのNetflix本社を訪れた7年前からアプローチを続け、やっと組むことができた。通信とエンターテインメントを融合し、動画配信サービスを5G(第5世代移動体通信技術)時代のキラーコンテンツにしていきたい」と意気込む。
Netflixでプロダクト最高責任者を務めるグレッグ・ピーターズ氏も「KDDIと手を組むことによって、ユーザーに“ワクワク”を届けたい」と説明。高橋社長が新体制のキャッチフレーズに掲げる“ワクワク”を用いて会場を沸かせた。
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