12年ぶりに復活「ゾイド」は“ワイルドさ”で現代っ子の心をつかめるか:マーケターが語る「こだわり」(2/4 ページ)
動物や恐竜がモチーフの組み立て式玩具「ゾイド」が12年ぶりに復活する。かつて高い人気を獲得した旧シリーズとは、どんな点が異なるのか。マーティング担当者に話を聞いた。
コックピットを廃止し、より動物っぽく
また新シリーズでは、過去の多くのゾイドに搭載されていた「コックピット」を廃止している。この仕様変更も“ロボットっぽさ”を和らげて親近感を高める狙いがあるという。おもちゃのスケールも、従来の設定である「72分の1」から「35分の1」に変更。より人間に近いサイズという設定にしている。
「“生き物っぽい”というコンセプトを徹底するため、ゾイドに乗り込むのではなく、またがって戦う設定に今回から変えた。近く放送開始するアニメでも、同様の設定を設けている。人間とゾイドのサイズの差を抑えたのは、またがりやすく、身近な存在という印象を強調するためだ」(平位さん)
パーツを“発掘”しながら楽しんで
組み立て方法も変更した。かつては一般的なプラモデルと同様、ランナーにくっついているパーツをニッパーで切り離して組み立てる仕組みだったが、今回からすでに独立したパーツをパックに封入し、開封後すぐに組み立てられる仕組みになっている。
「組み立てにストーリーを持たせたかった。従来の仕組みでは、現代っ子に『なぜ、パーツを1つずつ外さなきゃいけないの?』と疑問を抱かせてしまう。今回から導入した、袋にたくさん詰められたパーツの中から必要なものを選び出す作業は“発掘”に似ており、興味を持ってもらえると考えた」
過去のシリーズから大きな刷新を施したゾイドワイルドだが、平位さんは「“命を持つロボット”という根本的な設定は変えておらず、古いファンにも楽しんでもらえるはず。旧シリーズで遊んでいた人は、今は親になっている年齢。親子でゾイドを手に取ってくれるとうれしい」と期待を込めている。
具体的な販売目標は開示していないが、今後は旧シリーズ以上の収益と販売数を目指してマーケティングに注力していくという。
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