選抜総選挙10周年 AKB48グループがずっと守り続けているもの:歩みを止めない(3/3 ページ)
AKB48のシングル曲の選抜メンバーを決めるビッグイベント「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」がナゴヤドームで開催される。選抜総選挙は今年で10回目を迎えるが、ファンを楽しませ続けるために、AKB48グループが昔から変わらず守り続けていることとは――。
失敗を恐れたら何もできない
型にはめて考えない。こうしたことは、ファンを飽きさせないためにあえてやっているのではなく、AKB48グループの活動において当たり前のように行われているという。
その上でAKB48グループが大切にしているのが、チャレンジ精神だ。昔から、新しいことに挑戦する姿勢こそがファンの楽しみにもなっているし、メンバーの成長にもつながっているという。例えば、最近はプロレスに挑戦するメンバーがいる。彼女たちは毎日のように道場に通ってレッスンを受ける。そうすると当然、メンバーの意識は変わり、そこで培った経験をグループに持ち帰ってくる。それが相乗効果を生み出しているのである。なぜアイドルにプロレスをさせるのかという批判も多いそうだが、アイドルという枠にとらわれず、さまざまなことにチャレンジすることにこそ価値を感じている。
もちろん、挑戦には失敗がつきものだ。けれども失敗を恐れたら何もできない。何もしないことの方が失敗するよりも罪だという。
「失敗は怖いですよ。だから失敗しないように最大限の努力はしますが、それでも失敗することはあるのです。今の世の中、起業しても10年後には9割くらいビジネスに失敗しています。それだけ新しいことをやるのが難しい、当たらない時代です。エンタメもそう。それを全部ヒット打ち続ける、ホームラン打ち続けるのは難しいのは当然です。だけど、失敗してファンの批判を浴びることを恐れたら何もできなくなりますよね。新しい一歩を踏み出して、AKB48グループの可能性を開拓しないといけないのです」
細井氏は続ける。
「例えば、昨年の選抜総選挙で僕らはつまずいたわけです。たくさんの人からご批判やお叱りを受けましたし、申し訳ないという気持ちで一杯です。けれども、もし屋外のイベントが成功していれば、過去に見たことがない、皆が大絶賛するような“神イベント”になっていたと思うのです。ドバイからウォータースライダーを船便してステージに設置するなど、大がかりな仕掛けをしていましたし。よく僕らはクソ運営と言われるけれど、AKB48グループのチャレンジ精神は昔からずっと変わりません。その中で成功もあれば失敗もあります。リスクを考えて動かなければ大きな成功なんてつかめません」
これまでの成功や失敗にとらわれず、常に新しいチャレンジを面白がるような姿勢。それを受け入れるファンたち。これこそが、AKB48グループが存在し続ける理由なのだろう。
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