「仕事は与えられるものではない」――私の行動を変えたある事件:MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(1/3 ページ)
MAXとしてデビューしてから順調に活動を続けていた私たちに、ある日突然、事件が起きました。それまで仕事は自然とやって来るものでしたが、その価値観が180度変わってしまったのです……。
こんにちは、MAXのLINAです。
私の故郷・沖縄は一足先に梅雨明けしましたが、東京はまだまだ梅雨真っただ中。毎日のように雨が降って、空気はジメジメ。外出するのが億劫(おっくう)になりますが、読者の中にはお仕事で外回りされるビジネスパーソンの方も多いはず。どうかめげずにこの梅雨を乗り切りましょう……!
この季節になると思い出す出来事があります。それは2002年のこと。ちょうどサッカーの日韓ワールドカップが開催していて日本中がお祭り騒ぎのころ、私は不安と希望の狭間にいました。
MAXが活動停止に……
デビューから7年が経ち、CDシングルを20枚以上リリースしたり、ライブの全国ツアーを毎年のように行ったりと、MAXとしての活動が軌道に乗っていた、まさにそんなときに“事件”は起きました。
メンバーのMINAが結婚&妊娠でグループ脱退、MAXは4人から3人体制になりました。あまりにも突然の出来事で、初めて聞かされたときは頭の中が真っ白になり、この現実をどう自分の中で受け止めたらいいのかまるで分かりませんでした。当時24歳の私は、予期せぬ事態に対する処世術をまったく持ち合わせていなかったのです。
残されたメンバーでそれ以前と同じように活動したくても、グループの体制が変わったことで仕事をもらえない状況が続き、新しい体制が決まるまでは実質、無期限の活動停止状態になりました。ほぼ毎日、仕事のスケジュールは空っぽ。デビューして以来、こんなのは初めてでした。これからのMAXの活動を考えると、先が見えないことにただただ不安になるばかりの日々を送っていました。
このとき、私はMAXのLINAだから仕事をもらえているのであって、一個人としては何も動けないことに対して、いらだちと悔しさで一杯でした。
デビューしてからというもの、あれこれと細かいことは考えず、MAXというグループとしてとにかく目の前の仕事に全力投球することだけを心掛けてきました。そうした中で目にしたことのない大きな壁にぶつかり、初めて自分自身の将来や人生観について真剣に考えるようになりました。
「私は今後どうなっていきたいのか?」
「私には一体何ができるのだろうか?」
いろいろともの思いにふける良い機会ができましたが、ただ自分の殻に閉じこもって悶々とするのは大の苦手。一人で考えていても、待っていても現状が変わるわけではないので、すぐさま行動に移そうと思いました。
この仕事のない状況から、1日でも早く抜け出したかった私は、グループとしての活動ができないのであれば、ソロで何かできることに挑戦しようと心に決めたのです。とはいえ、今までソロでの活動に力を入れてこなかったわけです。うーん、私にできることって何だろう……?
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