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フリマアプリを全世界に――時価総額7000億円、メルカリの「次なる野望」ベールを脱いだ“ユニコーン”(2/3 ページ)

メルカリが東証マザーズに上場。株価(終値)は、公開価格の3000円を大きく上回る5300円、時価総額は7172億5600万円に上った。同社の経営陣が会見を開き、今後の展望を語った。

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“メルカリ経済圏”つくる

 会見には、社長兼COO(最高執行責任者)の小泉文明氏も登壇。国内市場におけるフリマアプリの今後の戦略について「まだまだ20〜30代の若いユーザーが多い。さらなる成長に向け、40〜50代の認知度向上を図りたい。出品物はアパレルが多いが、家電、スマホ、スポーツ用品などの出品のハードルを下げ、ユーザー1人当たりの取引額を上昇させたい」と語った。

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メルカリ社長兼COO(最高執行責任者)の小泉文明氏

 事業全体の戦略については「構築中の決済サービス『メルペイ』を強化し、ユーザーがコンビニや飲食店などで、フリマアプリの『ウォレット』にためたお金を使える仕組みを整備する」と説明。

 「ウォレット」で金融商品を買える案も構想中と明かし、「グループ全体での流通総額を拡大して“メルカリエコシステム”を構築したい」と述べた。外部企業と連携し、フリマアプリでの相互評価データや決済データをパートナーに提供するプランも視野に入れているという。

米国法人・ラーゲリンCEOが展望を語る

 山田氏が「ゆくゆくは全世界に広げる」と意気込む海外事業の展望はどうか。現在の展開エリアは米国・英国の2カ国のみ(英国ではテスト段階)で、投資が先行している状況。海外事業で69億円の営業損失を計上したことが響き、17年7月〜18年3月期の連結決算では、営業損益が18億9600万円の赤字、純損益が34億3400万円の赤字を計上している。

 海外事業の方針について、米国法人MercariでCEOを務めるジョン・ラーゲリン氏は「米国では、サービスの規模と認知度がまだまだ日本には及ばない。文化も異なるため、現地仕様のブランディングを手掛けていく」と説明。日本とは異なり、イメージカラーに青を使用した広告などを展開するという。

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米国での戦略を語るラーゲリンCEO

 「米国は日本と比べ、多様なバックグラウンドを持つユーザーが多い。そのため、感覚を頼りにした戦略は当てにならない。データを緻密に分析し、ユーザーが求めるものを明確に理解した上でサービスをつくり上げる必要がある」(ラーゲリン氏)

 米Googleや米Facebookで実績を積んだ同氏にとって、くしくも上場日(6月19日)はメルカリに参加してからちょうど1年になる日だという。これまでの取り組みについて同氏は「同じく米Google出身のマーケター、スコット・レヴィタンを米国法人のCMO(最高マーケティング責任者)として招くなどチームビルディングに注力してきた」と説明。

 「『これをやればうまくいくだろう』という施策のリストは既に手元にある。競合とは異なり、ラジオでの広告などにも力を入れるつもりだ。今後はチーム一丸になって取り組めるとワクワクしている」と話した。

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