日本人が知らない「ゴッドファーザー」の世界 末裔が語る“マフィアの掟”:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
映画『ゴッドファーザー』のモデルになったマフィアのボス。その末裔が日本でイタリア料理店を経営している。彼が自身の人生をまとめた著書を出版した。そこから、現代のマフィア事情が見えてくる。
英国の映画雑誌『エンパイア』は2017年、映画ファン約5000人の投票による「史上最も偉大な映画」ランキングを発表した。
数々の名作を抑え、1位に輝いたのは1972年に公開された名作『ゴッドファーザー』だった。言うまでもないが、この映画はイタリア出身のボスが率いるマフィア一家と敵対組織の抗争についてのストーリーだ。
長きにわたって世界から愛され続けているこの映画は、もともと米作家マリオ・プーゾの小説『ゴッドファーザー』が原作となっている。プーゾは実際にマフィアに取材をしながらこの小説を書き上げ、実在したマフィアのボスなどを登場人物のモデルにしている。
ゴッドファーザーのモデルの1人となった人物に、ニューヨークで暗躍したマフィア5大ファミリーの1つ「ルチアーノ一家」のボス、ラッキー・ルチアーノがいる。1962年に64歳で死亡したルチアーノは、麻薬や殺人がはびこるマフィア世界の実力者であり、「ボスたちの中のボス」と呼ばれるほどの権力者だった。
実は東京に、ルチアーノの末裔(まつえい)だという男性がいる。この人物は、マリオ・ルチアーノ氏。イタリア・シシリア島生まれで、自身も10代からマフィアの世界で暮らし、日本の暴力団でも仕事をしてきたという。現在は、どういうわけか日本でイタリア料理店を経営している。
マフィアとヤクザという2つの世界を内側から見てきたルチアーノ氏が、最近、自分の人生をまとめた本『破界 山口組系組員になったゴッドファーザー末裔の数奇な運命』(徳間書店)を出版した。そこであらためて、ルチアーノ氏の著作から見えるマフィアの世界と、現代のマフィア事情について探ってみたい。
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