ユニーファミマが社員の服装を自由化、他のコンビニ大手は?:各社で取り組みに差(1/2 ページ)
ユニー・ファミリーマートホールディングスが社員の服装をほぼ自由にすると発表した。小売業界全体でみても珍しい取り組みだが、いったいどのような効果を狙っているのだろうか。
ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とファミリーマートは、7月から社員の服装を自由化した。ユニー・ファミマHD傘下のユニーは本社移転のタイミングにあわせ、10月以降の実施を検討している。
もともと、男性社員はスーツとネクタイが基本(ただし、クールビズは実施していた)で、女性社員の服装に大きな制限はなかった。7月以降の服装は原則自由としつつも、「男性社員についてはタンクトップ、ダメージジーンズ、サンダル、帽子などは着用不可とした。女性社員についてはキャミソールやミニスカートのような露出度の高い服は着用不可としている。それ以外は原則自由」(広報担当者)という。また、スーツ着用を否定しているのではなく、職務や業務にあわせて柔軟に変えてよいとしている。
働き方改革につなげる
なぜ服装自由化に踏み切ったのだろうか。ユニー・ファミマHDとファミリーマートは、現在入居している「サンシャイン60」(東京都豊島区)から、2019年2月に「msb Tamachi 田町ステーションタワーS」(東京都港区)に移転することが決まっている。会社移転にあわせて、社員の働き方改革や意識改革につなげたい考えだ。さらに「お客さまのニーズにあわせてサービスを提供するのがわれわれの仕事。社会全体が軽装化していくなかで、自分はどんな服装をするべきか社員が考え、実行できるようになってほしい」(広報担当者)という狙いがある。
出勤初日となった7月2日に社員はどのような服装で出社したのだろうか。コンビニを新規出店するために家主や地主などと交渉する部署の社員はスーツ着用が多かったという。取材に対応した広報担当者はスラックスをはいて出社したそうで、「これから社員全体に自由な服装がどんどん広がっていくだろう」とコメントした。
ローソンは通年でノーネクタイOK
ローソンはどうだろうか。広報担当者によると、服装について普段から厳しい縛りがあるわけではないという。
男性社員の場合、襟のついているシャツを着用すれば、ノーネクタイで出社しても問題ないとしている。ただし、来客時に必要ならばネクタイとジャケットを着用するよう推奨している。ジーンズや短パンは明確に着用不可としているが、クールビズの期間はポロシャツを着ても問題ない。さらに、同社はスニーカー出勤を推奨しているが、「黒、茶、紺いずれかの単色に限る」といった規定がある。
また、女性社員の場合は袖のある服(肌の露出が少ない服)を着用していればよく、履くものについてはビーチサンダルや規定以外のスニーカーを不可としている程度だという。
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