24時間営業“再開”のジーンズメイト 深夜にどんな需要がある?:池袋本店など4店舗
ジーンズメイトは7月から、4店舗で24時間営業を再開。2017年5月に一部店舗で実施していた24時間営業を終了していた。営業時間を短縮する動きが目立つ中、深夜営業にどのような需要があると考えているのか。
衣料品チェーンのジーンズメイトは7月から、都心部の4店舗で24時間営業を再開した。以前は一部の店舗で24時間営業を実施していたが、働き方改革が社会的に広まってきたことなどによって、2017年5月に終了していた。営業時間を短縮する動きが目立つ中、深夜営業にどのような需要があると考えているのか。同社に聞いた。
深夜のお店に外国人観光客が集まる
24時間営業を再開したのは、池袋本店(東京都豊島区)、蒲田店(東京都大田区)、川崎駅前店(川崎市)、立川店(東京都立川市)の4店舗。池袋本店は6月から先行して実施している。これらの店舗は、採算が取れる売り上げ規模であることに加え、24時間営業の需要があると判断した。
では、どのような需要があるのか。担当者によると、地域によって需要は異なるという。池袋本店では、「インバウンドのお客さまの需要が見込める」(担当者)。24時間営業をやめていたころも、閉店時間は午後11時と遅かったため、他の衣料品店が閉まる午後9時以降に来店する外国人観光客が多く、深夜の需要はあった。
都心で外国人観光客の数は増えており、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを深夜に訪れる観光客も多い。深夜営業のニーズがあると考えた。
蒲田、川崎、立川については、「地元のお客さまの来店が多いエリア」(担当者)。長年、24時間営業で店舗を構えてきたことから、地域の人の認知度も高い。昔から利用している層に再度アプローチする。
“期間限定”復活で想定以上の効果
年末年始と春休みの時期に1週間〜10日の期間限定で24時間営業を再開したところ、その期間の売り上げは前年実績を上回り、想定以上だったという。そこで、効果が高そうな店舗に絞って24時間営業を再開することにした。
深夜の時間帯は、人員配置や勤務シフトを調整することで営業し、以前と比べて負担が重くならないようにする。もともと時給の高さなどを理由に深夜勤務を希望していた人は、24時間営業の終了時に昼間の勤務に変更していた。そのような人に深夜勤務に戻ってもらったり、一部の社員が交代で勤務したりする。「労働時間が長くなるわけではない」という。
「24時間営業を再開した店舗では、深夜時間帯の売り上げ目標をクリアしている」(担当者)と、滑り出しは好調のようだ。ターゲット層に合った施策で、利便性の向上を狙う。
関連記事
- ジーンズメイト、年末年始限定で「24時間営業」復活
ジーンズメイトが12月21日〜2018年1月7日の期間限定で、24時間営業を一部店舗で復活すると発表。 - 社長が語る「ライザップ経済圏」とは
なぜいまライザップグループはアパレルに参入するのか。また、住関連領域から介護まで多角的な経営を推し進める裏にある競争優位性とは何か。瀬戸健社長に今後の展望と戦略を聞いた。 - 24時間営業縮小から思う「地方創生」の真実
早朝深夜営業における人手不足などによって24時間営業の小売店や外食チェーンなどが減少している。そうした社会情勢と地方のつながりについて考えてみたい。 - 「ロイホ24時間営業廃止」の正しい読み方
ファミレスの「ロイヤルホスト」が2017年1月までに24時間営業を廃止するという。大手マスコミは「外食産業の営業時間短縮は最新トレンド」といった感じで報じているが、ロイホの場合はちょっと違う。というのも……。 - 年末年始の営業は必要か 休業日設定の動き広がる
年末年始に休業日を設ける動きが、飲食や小売りなどの現場で広がってきた。元日から当たり前のように店が開いている、という暮らしを見直すきっかけになるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.