西野監督の去就はどうなるのか 見え隠れするJFAの思惑:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
日本代表ロスになっている人も多いだろう。大会終了後、本田圭佑や長谷部誠が代表引退を表明。メンバーの世代交代が進むなか、次期日本代表監督にも注目が集まっている。なぜこうした動きが広がっているかというと、日本サッカー協会の思惑があるようで……。
外国人監督の招へいに動き出す
ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の解任劇を受け、ドタバタで就任しながらも西野監督は短期間でチームをまとめ上げて第一目標の決勝トーナメント進出を果たした。西野続投を求める声は多く、その流れを日本サッカー協会(JFA)側も踏襲していくものと思われたが、どうも違う方向性にかじを切りつつあるようだ。同協会内から西野続投に異論が飛び出し、JFA幹部たちが実際に再び外国人監督の招へいに動き出しているからである。
最有力候補となっているのが、ユルゲン・クリンスマン氏だ。選手としてはドイツのエースストライカーとして活躍。母国のドイツ代表、米国代表チームの監督を歴任し、独ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンも率いた。素晴らしい経歴の持ち主だが、どこまで日本のサッカーにフィットするかは不透明だろう。複数のメディアによれば、他にも英プレミアリーグの名門アーセナルFCで輝かしい経歴を残したアーセン・ベンゲル前監督や、前者2人と比較するといまひとつパッとしない戦歴のロベルト・ドナドーニ元イタリア代表監督の名も候補として挙がっているという。
クリンスマン氏やベンゲル氏の代表監督就任が決まれば、それはそれでインパクトが大きいはずだ。しかしながら今回、このクリンスマン氏を次期監督の最有力候補とする“スクープ”を掲載した複数メディアの後ろ側には、やはりJFA内部の情報源の存在が見え隠れする。
西野監督が高齢を理由に技術委員長職に復帰し、有事発生の場合に指揮官として再登板できるようにスタンバイさせるプランまで妙に詳細な形で報じられていることも極めて怪しい。おそらく新外国人監督誕生を願うJFA内のリーク者が世論の反応を見るために観測気球を打ち上げたのではないだろうか。
ちなみに一部のスポーツ紙には西野監督の手腕について「1勝1分け2敗で、退場者を出した10人のコロンビアにしか勝てなかった結果を疑問視する声があり、風向きが変わった」とまで書かれていた。短期間でチーム建て直しの難しい役割を押し付けた上、期待を大きく上回る結果を残した功労者の西野監督に終了直後から本気で難クセをつけているJFA幹部がいるとしたら神経を疑いたくなる。
ネット上の反応も、そのほとんどがよろしいものではない。こうした大きな注目度を集めるアドバルーン記事の裏側には提供したネタ元側の狙いが何となく読み取れてしまうからである。要は斬新な話題で世の中を引き付け、何かと糾弾されているJFA・田嶋幸三会長への矛先が向けられないようにしようという意図も感じられるからだ。
関連記事
- なぜ伊藤忠は18年ぶりに「独身寮」を復活させたのか
伊藤忠が18年ぶりに「独身寮」を復活させた。業績低迷を受けて、2000年に社有の寮を売却したのに、なぜこのタイミングで建てたのか。建物は7階建てで、部屋は361室。国内最大級の寮のナカはどうなっているのかというと……。 - 本当にこのままでいいのか 日本版「フーリガン」の正体
サッカーの日本代表が奇跡を起こした。W杯前の下馬評は最悪だったのにもかかわらず、ベスト16入り。しかし、気になることがある。日本代表が勝利するたびに渋谷や道頓堀でバカ騒ぎする集団である。こうした連中は「フーリガン」と呼んでもいいのではないだろうか。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - 日本人の働き方が変わらない、本当の原因は「大縄跳び競走」にある
先週、働き方改革法案が成立した。といっても、サラリーマンの多くは「どうせ変わらないでしょ」と思っているのでは。日本人の働き方はどのようにすれば変わるのか。筆者の窪田氏は法整備よりも、小学校で行われている「大縄跳び競走の中止」を訴えている。どういう意味かというと……。 - 大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる? - 「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か
女優・石原さとみさんの眉がどんどん細くなっている。彼女のファンからは「そんなのどーでもいいことでしょ」といった声が飛んできそうだが、筆者の窪田さんは「日本経済にとって深刻な事態」という。なぜなら……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.