社内の人間が「褒め合う」には、どうすればいいのか:社内報を活用せよ(3/4 ページ)
「部下を褒めることは、恥ずかしいのでできない」といった上司もいるはず。とはいっても、ダメ出しばかりでは、社内の雰囲気は悪くなるばかり。どうしたら抵抗感なく、褒めることができるのだろうか。
褒める力が職場を変える
こんな調子なのだ。最近では、顧客や田舎の親族からのビデオレターが届くこともある。「圭祐、おめでとう。おばあちゃん嬉しい!」といったメッセージが届き、それを見た営業マンは号泣し、その姿を見た他の社員も泣くのだ。
他にも営業成績以外で社員を褒め合う「えらい賞」が事業部内で運用されていた。筆者も1度受賞したような気がする。
自分語りが長くなってしまったが、、これが筆者の「褒める職場」の原体験だ。約20年前の出来事である。
リクルートの文化を紹介すると、「なんだか気持ち悪いな。どこかの宗教みたい」と感じる人もいるかもしれないが、この「褒めるチカラ」こそ、強化すべきだと思っている。いや、このチカラはますます求めれるだろう。なぜか。
やや語弊があるが、約20年前の職場は“金太郎飴”状態だった。新卒の正社員が中心で、まだまだ男社会だった。2年目も3年目も10年目の正社員を見ても、生え抜きばかりである。若いころから会社の考え方をじっくり叩き込まれるので、極端なことを言うと、いちいち褒めなくても動いてくれるのである。
しかし、いまは違う。育児と両立しながら働く女性社員が増えた。中途入社も増えたし、派遣社員も増えたし、常駐している外部スタッフも増えた。M&Aなどによって、新たな仲間が加わるケースもある。若い人も、中堅の人も、年配の人も、男性も、女性も、中途も、派遣も、外国人も、さまざまな出自の人が同じオフィスで働くようになったので、かつてのように会社の考え方を刷り込ませることが難しくなっているのである。
結果、どのような課題が生じているのか。社内のモチベーションがいまいち上がらない、一体感がなかなか生まれない――といった声が出ている。こうした問題を解決するために、「褒めるチカラ」が必要不可欠になっているのだ。
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