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ユニクロのエアリズムにみる「脱・安かろう悪かろう」の研究:宣伝広告と地道な商品開発が奏功(2/4 ページ)
かつては「安かろう、悪かろう」のイメージが強かったユニクロだが、今やお手頃な価格で高機能の商品が売れるようになった。ここに至るまでの地道な取り組みを商品開発や宣伝広告の面から検証する。
糸の開発からこだわる
なぜ、エアリズムはこれだけ機能性を高めることができたのだろうか。
大きな要因の1つが東レと共同開発した素材を使っていることにある(エアリズムのウィメンズには旭化成の素材も使われている)。両社が協力するようになったのは、2000年に柳井正社長が、東レを訪問しユニクロ専門の組織を設置してほしいと要請したのがはじまりだ。ユニクロと東レは06年に「戦略的パートナーシップ」を締結したが、当時のリリースには「素材メーカーとSPA(製造小売業)の境界線を越え、素材段階から最終商品の販売に至るまでの一貫した商品開発体制を構築して、消費者の皆様方の生活を豊かにする衣料品等を提供して参ります」とある。両社の関係は今も続いており、東レの社員とユニクロの社員は毎日のように打ち合わせを重ねているという。
ネックの形は毎年微妙に変わっている
ユニクロはエアリズムの商品開発をするにあたって、ハガキ、店舗、自社で運営しているECサイトの書き込みなど、さまざまな手段で消費者の声を積極的に取り入れている。例えば、「シャツを着たときに、インナーの線が透けて見えるのが格好悪い」という要望があればシームレスにしたり、「Yシャツのボタンをあけたときにインナーが見えるのが格好悪い」という要望が多ければ、ネックの形を変えるといった具合だ。
こういった細かい改良は毎年少しずつされているので、一般的な消費者ならば1年前と今年の商品のどこが違うのか、分からないかもしれない。
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