KDDIのスマホポータル「Syn.」、全サービス終了 「加盟企業のメリット考えた結果」:“スマホ版ヤフー”になれず
KDDIのスマホポータル「Syn.」に関連する全サービスが終了。「加盟企業へのメリットを考えた結果」という。後継サービスは提供しない予定。
KDDI傘下のSupershipは7月9日、異なる企業が運営するスマホ向けWebサービスやアプリ間の相互送客を図る構想「Syn.(シンドット)」に関する全サービスを終了した。KDDI主導で2014年10月に立ち上がり、ウェザーニューズ、ナターシャ、ナビタイムジャパンなど10社以上が「Syn.alliance(シンドット・アライアンス)」として参加。スマートフォン時代の“ポータルサイト”をつくるとしていたが、4年弱にわたる取り組みに幕を下ろした。
設立当初、加盟企業が提供するサービスのMAU(月間ユニークユーザー数)は4100万に上り、“スマホ版のYahoo!JAPAN”になり得ると注目されていた。だがSupershipの親会社のSyn.ホールディングス(HD)は、終了時点のMAUについて「非公開」(広報担当者、以下同)と明言を避けた。
5種類全てが終了
今回終了したのは、(1)加盟企業のスマホ向けサービスに共通サイドメニューを設置し、ユーザーが行き来できるようにする「Syn.menu」、(2)同メニュー内に共通の広告を表示する「Syn.ad」、(3)加盟企業のサービスの新着情報を通知する「Syn.notification」、(4)ユーザーにおすすめのサービスをレコメンドする「Syn.extension」、(5)チャット形式でユーザーの質問に答える「Syn.search」――の5種類。
「加盟企業へのメリット考えた結果」
Syn.HDは、サービス終了の理由を「加盟企業の皆さまにどうすればメリットを提供できるかを考えた結果、(内容などを)見直す必要があると判断して終了を決めた」と説明する。「ただ、『Syn.構想』『Syn.alliance』を廃止するつもりはない。今後も残していく」という。
だが、同構想に関する後継サービスは「提供しない予定」。「これから加盟企業と話し合って今後の方針を決めたいが、結論が出る時期のめどは立っていない」としている。
一連のサービスを手掛けていたSupershipは今後、「以前から取り組んでいた、広告主向けのプラットフォーム事業などに注力する」という。
KDDIは「サービス終了が当社の連結業績に与える影響は軽微だ」(広報部)としている。
関連記事
- 「ローソンフレッシュ」8月終了へ 物流費高騰など影響
ローソンが生鮮食品通販「ローソンフレッシュ」を8月に終了する。物流費の高騰などが主な要因。今後は、生鮮スーパーの食材をアプリで買える「ローソン フレッシュ ピック」に注力する。 - 「Ustream」ひっそりと終了
「Ustream」がそのブランドに幕を引き、米IBMのクラウド動画サービス「IBM Cloud Video」にリニューアルした。 - 「ついっぷる」サービス終了 老舗Twitterクライアント
ビッグローブは、Twitterクライアント「ついっぷる」を10月31日で終了する。 - KDDIとNetflixが提携 「動画配信」を5G時代の切り札に
KDDIが、米Netflix日本法人と業務提携すると発表。スマホの通信料金と、動画配信サービス「Netflix」の月会費などをセットにした新プランを今夏から提供する。高橋誠社長が会見で狙いを語った
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.