IBM、新たな仮想通貨の開発に着手 米ドルにペッグする安定した仮想通貨を:仮想通貨「Stronghold USD」
米IBMと米フィンテック企業Strongholdは7月17日、共同で米ドルにペッグする仮想通貨の開発に乗り出すと発表した。
米IBMと米フィンテック企業Strongholdは7月17日、共同で米ドルにペッグする仮想通貨の開発に乗り出すと発表した。両社は実証実験などを行い、この通貨が銀行などの金融機関や企業にどのように役に立つのかを見極めていく。
Reutersが報じた。
仮想通貨の名は「Stronghold USD」。同プロジェクトの狙いは、ビットコインなどの仮想通貨よりもボラティリティが低く安定した通貨の開発と、より早くて安全な決済手段の構築だという。
「Stronghold USD」は金融機関や多国籍企業、資産運用管理会社などの企業の間で活用されることを想定しており、数カ月以内には利用可能になる予定だ。
同社のグローバル・ブロックチェーン(分散型取引台帳)部門でバイス・プレジデントを務めるジェシー・ルンド氏は同プロジェクトについて、「我々が構築してきたトランザクションビジネスネットワークの解決策になるとみている」と期待を寄せる。
また、ブロックチェーンを活用したアプリケーションと安定した仮想通貨が主流になりつつあるとし、「ユーザーは現金やクレジットカード、デビットカードなどより安くて、早くて、安全な決済手段を手に入れることになるだろう」と展望を語った。
米Stronghold創設者のタミー・キャンプ氏は「同仮想通貨は企業間の決済や海外送金を、シームレスで摩擦なく安全な方法で行うことを可能にする」とその有用性を強調した。
米IBMは同日、米コロンビア大学と協定を締結したと発表。学生が同社のインターンシップと研究に参加できる「Columbia-IBM Center for Blockchain and Transparency」を開設し、ブロックチェーンなどの研究にさらに注力するとした。
仮想通貨「テザー(USDT)」
「Stronghold USD」と同じく米ドルにペッグする仮想通貨として知られる「テザー」は、昨年のビットコイン上昇局面で価格操作に利用されたのではないかと疑惑の目を向けられている。
テザーと同じ特性を持つ「Stronghold USD」が価格操作などの不正行為に利用されることを懸念する見方もあり、こうした指摘への対応も求められそうだ。
関連記事
- ビットコイン、急騰で約1カ月ぶり7000ドル台回復 要因は?
7月18日未明、ビットコイン価格がわずか1時間で10%近く上昇。約1カ月ぶりに7000ドル台を回復した。 - Rippleが世界の有名大学に5000万ドル投資
国際送金システムなどの研究開発を手掛ける米Rippleは6月4日、マサチューセッツ工科大学(MIT)を含む有名大学17校に総額5000万ドルを投資し、大学におけるブロックチェーンと仮想通貨、電子決済の研究開発などを支援すると発表した。 - ビットコインの下落が止まらない 「昨年のビットコイン急騰は価格操作によるもの」
6月13日、ビットコインは一時6133.31ドルまで値を下げた。先週末から始まった急落の中、さらに5%も下落した形だ。同日に発表されたテキサス大学のビットコインに関する報告書が原因だとみられる。 - 米大手資産運用会社BlackRock、仮想通貨などについてのワーキンググループ設置
7月16日、米大手資産運用会社BlackRockが仮想通貨とブロックチェーン(分散型取引台帳)に関するワーキンググループを設置したと報じられたことを受け、ビットコインを含む主要仮想通貨の価格が上昇した。 - Twitter上に急増する「フェイクアカウント」、仮想通貨を要求
ここ数カ月、Twitter上で著名人のふりをした「フェイクアカウント」が仮想通貨を要求する詐欺行為が横行している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.