「高校3年生が志願したい大学」を徹底分析 人気の明暗が分かれるワケは?:ランキング上位校は……?(2/4 ページ)
リクルート進学総研が「高校3年生が志願したい大学」ランキングを発表。会見に小林浩所長が登壇し、上位校が人気を集める理由などを解説した。
東海エリアの人気校は?
東海エリアの2位は名古屋大学。「青色発光ダイオードを発明し、14年にノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇氏が特別教授に就任してから注目度が高まっている。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などのテクノロジーが学べる情報学部も人気が急上昇中だ」という。
3位は南山大学。小林所長は「分散していたキャンパスを統合したほか、短期留学ができる『国際教養学部』を新設した効果だ」と分析する。
4位は同率で中京大学と静岡大学が入った。6位以下は名古屋工業大学、岐阜大学、愛知大学、名古屋市立大学、三重大学――という結果となり、関東エリアよりも国公立大の人気が高い傾向がみられた。
同エリアでは、他のエリアの大学を志望するケースも多く、早稲田大学が19位にランクイン。男女別にみると、男子では立命館大学、大阪大学、同志社大学、女性では青山学院大学なども上位20校に入っていた。
一方、慶應義塾大学はトップ20校から漏れ、地方における志望度の“早慶戦”では早稲田大学に軍配が上がる形に。「慶應は奨学金が非常に充実しているが、学費が高いイメージが根強いようだ。早稲田の方が定員が多く入りやすいのも一因かもしれない」という。
関西エリアの人気校は?
関西エリアの2位は近畿大学。「ネット出願による受験料割引を始めたこと、養殖魚『近大マグロ』が広く知られるようになったこと、図書館やカフェ、24時間使える自習室を備えた『アカデミックシアター』をオープンしたことなどにより、先進的なイメージがついている」という。
3位は大阪市立大学で、「大阪府立大学との法人統合を高評価する人が増えたのでは」とみる。4位以下は同志社大学、神戸大学、関西学院大学、立命館大学、大阪大学、龍谷大学、大阪府立大学――と続き、“関関同立”と有名国公立大の人気が高かった。
「今回は国公立人気が高かったが、関西エリアは例年、景気が良いと私立大を志願する人が増える傾向にある。家計の状況が色濃く反映されるのだろう」という。
ただ、同エリアの受験生が他の地域の大学を志望するケースはなく、男女別・文理別に集計した場合でも、地元の大学のみが上位を占めていた。
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