「高校3年生が志願したい大学」を徹底分析 人気の明暗が分かれるワケは?:ランキング上位校は……?(3/4 ページ)
リクルート進学総研が「高校3年生が志願したい大学」ランキングを発表。会見に小林浩所長が登壇し、上位校が人気を集める理由などを解説した。
苦戦する女子大はカリキュラムを見直すべき
このように、各地域で共学の総合大学が上位を占めている一方、苦戦しているのが女子大だ。関東エリアで全体のトップ20に入った女子大はなく、東海エリアでは椙山(すぎやま)女学園大学が16位、関西エリアでは同志社女子大学が18位に入るのみだった。
女子から得た回答のみ集計した場合は、関東エリアでは大妻女子大学が19位に入った。東海エリアでは椙山女学園大学が4位。関西エリアでは、同志社女子大学(8位)、武庫川女子大学(13位)、京都女子大学(14位)などがランクインした。
小林所長は「ビジネス系の学問と家政系の学問をバランスよくそろえた大学は一定の人気を保っているが、ミッション系の“お嬢さま大学”が生き残るのは厳しい」と指摘。
「共働き世帯の比率が専業主婦世帯を上回った1997年ごろに生まれ、女性がビジネス界で活躍することを当然だと捉えている層が受験を迎えているため」と要因を分析し、ビジネスで役立つカリキュラムの導入が不可欠だと提言している。
不人気校は改革を恐れるな
一連の調査結果を踏まえ、小林所長は「ランクインした人気大学では、理念に共感した志願者が集い、質の高い学生が合格し、効率よく教育できるといった好循環が起きている。一方、そうでない大学は“滑り止め”として見られ、入学した学生がモチベーションを保てず早期に退学してしまう悪循環が起きている」と分析。
受験生の人気獲得に苦戦する大学に対しては、「単にシンボルマークやキャッチフレーズを変えるだけでなく、大学統合、学部学科新設、キャンパス移転などの改革を実践し、中長期的な視点での広報戦略を実施すべきだ。成果が出るまで10年ほどの月日がかかるかもしれないが、怖がらずに改革に取り組んでほしい」と提言している。
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