ZOZO前澤社長の球界参入に「NO」を突きつける人が多い背景:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
スタートトゥデイの前澤友作社長がTwitter上で「プロ野球球団を持ちたいです」と発信し、大きな波紋を広げている。資金面などの問題はないかと思うが、前澤氏の発言に対して、プロ野球の関係者からは疑問の声が噴出しているのだ。どういうことかというと……。
前澤社長の真の狙い
その堀江ラインに沿う形で前澤社長が現状のセパ12球団から新たに4球団を増やす球界再編へと乗り出すのではないかとみる向きもあるが、これは余りにも非現実的だ。簡単に4球団を増やすといっても、試合日程の組み方など議論すべきことは山のようにある。何より、たとえ資金があっても新しくつくられる4球団と既存の12球団との戦力の均衡化を図ることが最も困難。バランスが取れなければ試合にならず、“弱い新球団”を果たしてファンが応援し続けてくれるのかという疑問も出てくる。
ただでさえ新参者を嫌う傾向の強い日本プロ野球界が既存球団の買収ならばともかく、採算面で自分たちにもリスクが生じかねない16球団構想に耳を傾けるとは到底思えない。今オフに何らかのアクションを起こすことを表明している前澤社長のシナリオが仮に新球団設立構想だとするならば、残念ながら絵に描いたモチで終わる可能性が大だ。
さて、そうなると俄然、前澤社長の真の狙いはマリーンズ買収プランではないかと思えてくる。ロッテの山室晋也球団社長が「ロッテは売却する意思はありませんし、今後もありません」と明言したものの、経済界は山の天気と同様に数時間先でもどうなるか分からない。これを額面通りに受け取るのはいささか早計だ。
Forbes(フォーブス)誌によれば、17年3月の時点で前澤社長の総資産は実に約3330億円。スタートトゥディの企業規模も18年3月の時点で商品取扱高が2705億円(前年比27.6%増)もあり、営業利益も326億円(同24.3%増)となっている。現状の野球協約では新規参入の場合、預かり保証金など約30億円が必要で、既存の球団買収となると少なくともその3〜4倍以上の資金が必要となるが、前澤社長率いるスタートトゥデイの保有資産ならば、いずれもまったく問題なく工面できるはずである。マリーンズを買収し、経営できるだけの体力は十二分に持ち合わせていると断言していい。
ちなみに多くのマリーンズファンは前澤社長のつぶやきに対して、好意的な目を向けているようだ。親会社であるロッテホールディングスの名誉会長で球団オーナーを務めている重光武雄氏は、実子でオーナー代行を務めていた昭夫氏とともに横領などの罪で国籍を持つ韓国国内で実刑判決を受け、その求心力は球団内でも急速に低下しつつある。
関連記事
- 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。 - 「一蘭」にハマった外国人観光客は、なぜオーダー用紙を持って帰るのか
ラーメン店「一蘭」といえば、食事をするスペースが仕切られている味集中カウンターが有名である。珍しい光景なので、外国人観光客も写真を撮影しているのでは? と思っていたら、店員さんに「オーダー用紙を持ち帰りたい」という声が多いとか。なぜ、そんな行動をしているのかというと……。 - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!? - 大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.