山崎拓氏に独占取材 「安倍一強」支えるネット世論を斬る:元自民党副総裁、YKKの一角が語る(1/3 ページ)
元自民党副総裁の山崎拓氏に「安倍一強」を支えるネット世論について聞いた。背景には新聞や本を読む人が減っていることや、イデオロギーが無く現状に甘んじる若者の傾向があると説く。
自民党の元政治家、山崎拓氏と言えば加藤紘一氏、小泉純一郎氏と並ぶ「YKK」の一角。小泉内閣で自民党幹事長や副総裁を務めて小泉改革を支えた。何度も首相候補と目され長く要職を歴任。2012年に引退後も政界に強い影響力を持ち続けている。
自民党総裁選を9月に控えた今、山崎氏にインタビューしたテーマは「安倍政権とネット世論」。安倍一強の状況と新聞を読まないネットユーザーの関係について、長く自民の重鎮として君臨しつつも「ネットにはほとんど接していない」と語る山崎氏にあえて直撃した。
「新聞を読まない人が自民党支持」
――さまざまなスキャンダルが起きつつも政界で「安倍一強」が揺るがない背景にはネット世論の影響があるように感じます。
山崎: 民主政治のもとではマスコミの影響は非常に大きい。私はネットの世代ではないから、従来の新聞やテレビの報道を見て(政治について)判断しています。それから政治家と関わり合いがあるので、彼らの議論を直接見聞きして別の判断根拠も持っている。
新聞は各社で政権を支持する、しないという立場をある程度はっきりさせている。どの新聞を(有権者が)読んでいるかということが(世論に)影響しているでしょう。ただ、若者層はほとんど新聞を読まない。どの新聞に左右されるかといったことはない気がしますね。
「新聞を読まない人が自民党を支持する」といった言葉を麻生太郎さんが言っていると新聞で読みました。言い得て妙じゃないかな。新聞を読む力と言うのは今の若い人には乏しいように思えますね。日本語をよく勉強していない、国語力が弱いんじゃないかなと思う。
昔は読書量が教養の基礎でした。僕の知っている昔の政治家では中曽根康弘さん、大平正芳さん、福田赳夫さん、非常に読書家でした。皆さんよく本を読んで基礎的な教養を持っていた。
今はテレビ文化になっている。テロップなど視覚で物事を捉えてしまい、頭脳で考えない。それが若者の通弊で、政治とも関係している。
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