山崎拓氏に独占取材 「安倍一強」支えるネット世論を斬る:元自民党副総裁、YKKの一角が語る(2/3 ページ)
元自民党副総裁の山崎拓氏に「安倍一強」を支えるネット世論について聞いた。背景には新聞や本を読む人が減っていることや、イデオロギーが無く現状に甘んじる若者の傾向があると説く。
「国民は自分以上の水準の政府を持てない」
――ちなみに9月の総裁選はどのように予想しますか。
山崎:安倍総裁3選は8割の確率であると思う。2割は別ですが。総裁選挙の見通しを聞かれたらそういうことになります。国民の世論とは関係ないです。ほとんど関係ない。“自民党内世論”で決まります。
自民党員というのは国民の1%程度しかいない。若い人はほとんど自民党員にいない。年4000円の党費を払わなくてはいけないから。若い人はそんなお金なんか払わない。自民党に興味もなければ義理もない。
昔は学生運動が盛んだったが、今はないから。昔は自由主義だ資本主義だ民主主義だ、共産主義だ社会主義だとそれぞれイデオロギーを信奉して学生運動にまい進した人が多かったのですよ。
今はイデオロギーがない。あなた(記者)は何主義ですか?って聞かれて答えられないでしょう。ありません、ただ生きているだけ。飯を食わなくてはいけないからこういう仕事をしています、と。
僕は今大学で(政治学を)教えていますけれども、非常にそういう意味でイデオロギー的ではないですよね。学生たちは有権者。なのに政治にほとんど関心がないです。
――しかしその学生たちは山崎さんの講義を聞きに来ています。
山崎: 僕が教えるから興味を持つだけです。僕のような大学の先生はほとんどいないから。政治を教えられる先生はほとんどいない。政治をやっていた者ではないということと、政治学者というのは非常に“上”の話をするからね。現実政治のことはあまり言わないから。ようするに、それを勉強しても実社会に出て役に立たないから。
今、ITが支配的な産業になっている。そういう業界に出ていったらメカニズムの世界になる。スマートフォンやPCの操作のような、そちらの知識が重要になる。政治学というのはそういう実学ではないので、興味を持たない人が多いと思う。政治を学ぼうという若い人は非常に少ない。
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