YouTuber教育プログラムで子どもたちに教えている、動画の撮り方より大切なこと:私が起業した理由(3/4 ページ)
子どもたちのやりたいことを叶えたいという思いから「YouTuber Academy」の運営を始めたFULMA代表の齊藤涼太郎さん。彼が考える、子どもたちに身に付けてほしい、変化の激しい時代を生き抜くのに必要な力とは何だろうか?
次世代を育む、大人たちに求められる姿勢
――大人はどのような態度で子どもと接していくべきでしょうか?
その問いにお答えするには、僕たちがまだ事業を始めたばかりのころに、周囲の人たちに助けてもらった話をするのがいいかもしれません。
今の事業が広がり始めている大きな理由には、始めてすぐにCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)さんが運営するT-KIDSシェアスクールさんと提携できたことがあります。T-KIDSシェアスクールに、日本を代表する他の教育プロジェクトと並んで出展できたことで、先進的な教育スタートアップのイメージを打ち出せました。同じことを、雑居ビルの狭い部屋でやっていたら、こうはいかなかったはずです。
その意味では、ラッキー以外の何物でもない提携でした。きっかけは、NPO法人ETIC.が主催するイベントでプレゼンしたとき。それまで取り組んできた事業の説明をした際に、追加でポロっと「今後はこんなことも考えている」と漏らしたことでした。その時点ではまだ何も始めてなかったし、アイデアもちゃんと固まっていなかったのですが、たまたまCCCさんがYouTube関連の教育事業者を探していたタイミングだったということで興味をもってもらい、そこからとんとん拍子に話が進んでいったのです。
あのときアイデアを口にしていなければ、確実に今の状況はありませんでした。当時のメンター役だったLife is Tech(ライフイズテック)代表の水野雄介さんが、「アイデアだけでも言った方がいいよ」と僕の背中を押してくれたおかげです。
※Life is Tech(ライフイズテック)とは、中学生・高校生のためのプログラミングやIT教育を行う団体。
実は、水野さんは僕が起業する際にも「君なら大丈夫」と背中を押してくれた人なんです。後から聞くと「そんなこと言ったっけ?」と、覚えていないようでした。
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