串カツ田中が「食べ放題」を通年化 徐々に進む“ファミレス化”:全面禁煙化に続く戦略(1/2 ページ)
串カツ田中が「食べ放題」サービスを通年化する。「ほぼ全品食べ放題コース」と「串カツ食べ放題コース」の2種類があり、ファミリー層や若者の顧客を開拓する狙いがある。近年、子ども向けのサービスも強化しており、ますます“ファミレス化”の流れが強まっている。
串カツ田中は8月16日から、平日の午後6時までに来店したお客を対象に「ほぼ全品食べ放題コース」と「串カツ食べ放題コース」を提供する。実施するのは81店舗で、1店舗につき1日30人限定。利用するためには前日までに予約する必要があり、制限時間は120分(90分ラストオーダー)だ。
ほぼ全品食べ放題コースは、大人が2354円、小学生以下が1177円、6歳以下が518円、3歳以下は無料となっている(いずれも税込、以下同)。メニューにある串カツと一品料理のほとんどが食べ放題となるが、一部店舗では対象外の商品もある。
串カツ食べ放題コースは、大人が1598円、小学生以下が799円、6歳以下が410円、3歳以下が無料となっており、メニューにある串カツほぼ全てが対象となる。
串カツ田中は2015年から串カツ食べ放題を期間限定で実施してきたが、お客からの評判がよかったことを踏まえ、串カツ以外のメニューも食べられるように改良して通年展開することにした。串カツ田中ホールディングスの広報担当者によると、これまでの食べ放題は1年のうち1週間程度しか実施しなかったということなので、大幅なサービス拡大といえる。
全面禁煙化で客層が変化
今回の戦略の背景にあるのは、店舗の全面禁煙化を踏まえ、若者や土日以外のファミリー層の来店動機を高めることにある。
串カツ田中は6月1日から立ち飲み形式の3店舗を除く全国の181店舗を全面禁煙化した。6月中の直営店(86店舗)における来客数でみると、家族連れや20代以下の男女グループが増えた一方、会社員の男性グループや30代以上の男女グループが減るという結果となった。さらに、早い時間帯の売り上げが増えるといった結果が出ている(関連記事:「全面禁煙化」から1カ月 串カツ田中が得たもの、失ったもの )。
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