串カツ田中が「食べ放題」を通年化 徐々に進む“ファミレス化”:全面禁煙化に続く戦略(2/2 ページ)
串カツ田中が「食べ放題」サービスを通年化する。「ほぼ全品食べ放題コース」と「串カツ食べ放題コース」の2種類があり、ファミリー層や若者の顧客を開拓する狙いがある。近年、子ども向けのサービスも強化しており、ますます“ファミレス化”の流れが強まっている。
若者やファミリー層向けサービスを強化
昼飲みやファミリーの昼食需要に対応するため、串カツ田中は8月1日から76店舗で営業時間を変更している。具体的には、土曜・日曜の開店時間と閉店時間を繰り上げたり、平日の閉店時間を早めたりといった内容だ。同社はリリースで、期待する効果として「潜在顧客の掘り起こし(日中のママ会など)」「昼飲み、昼食利用の需要に対応」を挙げている。
記者は東京都内で子育て世帯が多い地域に住んでいるが、日曜日の正午以降、ベビーカーを店内に持ち込むママ友グループや、家族連れのお客を見かけることが増えたように感じる。土曜日・日曜日・休日のファミリー層向けの需要を満たしているようだ。
串カツ田中はファミリー層を呼び込むため、メニューやサービスの面でもさまざまな工夫をしている。小学生以下を対象に、ソフトクリームや手作りたこ焼きを無料にしたり、店員とじゃんけんで買ったらドリンクが無料になるといった具合だ。さらに、店舗によっては、カプセルトイを設置しており、店員から渡される専用のメダルを使えば、次回来店時に使えるサービス券が入手できるようになっている。子ども用いすが用意されている店舗もあり、メニューには「おこさまプレート」もある。
このようにみると、串カツ田中は全面禁煙だけでなく。ファミリー層向けのサービスを強化することで“ファミレス化”しつつある。今回の食べ放題サービスの導入で、土日以外のファミリー層や若者の需要を取り込めるかが注目される。
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