お客さんがついつい買いたくなる、「ノンクロージング話法」とは?:説得ではなく、納得(3/4 ページ)
「営業をしてるけれど、なかなか売れない」といった悩みを抱えている人も多いのでは。そんな人にオススメなのが「ノンクロージング話法」。あまり聞き慣れないこの話法、どういうことかというと……。
営業力とは質問力
人が買いたいと強く思うときは、なにか問題を解決したいときか、さらによくなりたいと思うときだけ。問題を強く自覚していないのは現状に満足している状態で、よりよい未来とのギャップも生まれず購買につながらないのです。というこわけで、営業マップで(1)の問題発見が最も大切なのです。
「あなたの悩みは何ですか?」や「御社の解決したい課題は何ですか?」など伝え方はさまざまですが、とにかく自分の話や商品の説明などは後回し。お客さんの問題を発見することに全力を注いでください。そのために質問を投げかけて先方の問題に全力で寄り添い、問題を相手に自覚してもらうのです。
問題発見ができれば、(2)の「よりよい未来」の段階に移ります。
「御社が目指す最高の状態は?」や「今は問題ないが将来的に起こる問題に対してどの様に手を打ちたいですか?」といった質問を投げかけて、それに答えてもらう。そして、本人によりよい未来の想像をしてもらいます。
この段階において重要なのは、営業マンにとってこうなればよいですよね、という押し売り感が強くないかどうか。あくまで大切なのはお客さんにとって「よりよい未来のために」という気持ち。そのためにも(1)の段階でしっかりと先方に寄り添い、相手の問題発見に全力を尽くすこと、それを認識してもらうことが大切です。
ここまでできればあとは(3)の「そこに至る解決策」の提示だけをすればノンクロージングで売れていきます。
「いろいろとお聞きすると、あなたにピッタリな商品は◯◯です」や「このサービスを導入すると御社のコストが◯%下がるので業績も回復するかと思いますよ」など。
ここまでにしっかりとヒアリングしており、なおかつ先方の問題を本当に解決したいと思っているマインドで接してきたなら、こちらの解決策を拒む理由がありませんよね。医者が完璧な治療方法や薬を提供するのと同じくノンクロージングで商品やサービスは売れていきます。
ここまでの流れや営業マップを見ても分かるように、営業力とは自分が商品の説明や、お客さんにとってこの商品がいかによいのかを話すことではありません。徹底的にヒアリングして、問題発見をすることと、よりよい未来を想像するための質問をし、先方に話してもらうことが重要です。そうです、営業力とは質問力なのです。
関連記事
- なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。 - サラリーマンが5分でできる、簡単な服装チェック術
「大事な商談があるのに、どんな服装にすればいいのかよく分からない」「いつもと同じスーツで」といった人も多いのでは。身だしなみに自信を持てない人はどのようにすればいいのか。スタイルアドバイザーのたかぎ・こういち氏が、たった5分でできるチェック術を紹介する。 - ガツガツしなくても、売り上げが劇的に伸びるトーク術
営業では「売ろうとしないことが大事」と言われている。周囲にも売ろうとしていないのに優秀な営業マンがいるかもしれないが、なぜ彼ら・彼女らはガツガツしていないのに売れているのか。心理カウンセラーが分析したところ……。 - 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。 - 「定期的な異動が生産性を落としている」説は本当か
新年度がスタートした。新たな部署に配属されて、「うまくやっていけるかな」と不安を感じている人も多いのでは。4月に「定期人事異動」を導入しいている企業は多いが、このシステムは本当に効率的なのか。ひょっとしたら生産性を落としているかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.