マカオに行く人が今年も来年も増える、2つの理由:2017年は9.44%増(3/4 ページ)
ここ数年、日本からマカオに足を運ぶ人が増えている。その理由は何か。取材を進めていくと、マカオ政府観光局の担当者は「今年も来年も増える」と予測する。強気の姿勢を見せる背景に、何があるのかというと……。
マカオに行く人が増える、もうひとつの理由
日本からマカオに行く人が増える、もうひとつの理由は何か。「受け皿」の整備である。大橋が開通することで増えるのはもちろん日本人だけではない。さまざまな国からやって来ることが予想されるが、多くの人を受け入れる宿泊施設が急増しているのだ。
2018年6月のデータを見ると、宿泊施設は118軒で3万9249室ある。この数字を目にしてもピンとこないかもしれないが、数年前に比べて急増している。15年は2万7700室しかなかったが、その後1万1549室も増えているのだ。その背景に、大型ホテルの建設ラッシュがある。今年に入って「MGMコタイ」(1400室)、「モーフィアス」(769室)がオープンしたほか、今後も「THE13」(約200室)や「グランド・リスボア・パレス」(3つのホテルで、約2000室)など大型ホテルが誕生する。
宿泊施設の稼働率は88.9%(前年比4.7%増)と高い数字を示し、室料も上昇傾向にある。こうした状況に対して、オンライン予約サイト「Booking.com(ブッキング・ドットコム)香港支店」でエリアマネージャーを務めるカルバート・ロー氏はどのように見ているのだろうか。「韓国や台湾の人は安い宿泊施設を好む傾向がある。一方の日本人はハイエンドを求める傾向があるので、いまのマカオの状況を考えると、今後も日本からの渡航者が増えるのではないか」と分析する。
最後にちょっと興味深い数字を紹介する。マカオ政府が格付けした宿泊施設をみると、4つ星の料金は平均834.8MOP(約1万1500円)に対し、3つ星は1024.0MOP(約1万4000円、いずれも1MOP:13.77円で換算)。通常、星の数が多いほど料金が高くなるのに、なぜ逆転しているのか。「新しく建てられたホテルは3つ星か5つ星が多い。3つ星であっても施設が充実しているので、料金が高くなる傾向がある。ということもあって、4つ星よりも3つ星のホテルのほうが高くなっている」(ロー氏)
宿泊施設を選ぶ際、星の数を参考にする人もいると思うが、マカオに関してはちょっと注意が必要である。「3つ星のほうが安いから○○ホテルで泊まろう」と考えるのではなく、4つ星と比較して“賢く”選んだほうがよさそうだ。
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