日本企業の約半数(48.4%)に女性管理職がいない――。帝国データバンクが全国の約1万社を調査した結果、こんな事実が分かった。女性を管理職に起用している企業でも、割合は「10%未満」(30.5%)がトップだった。「10%以上20%未満」は7.3%、「20%以上30%未満」は4.2%だった。
ただ、「30%以上」が前年比0.4ポイント増の6.8%に増えるなど、着実に女性管理職が増加している企業も一部みられた。その影響もあり、女性管理職比率の全体平均は前年比0.3ポイント増の7.2%に拡大。調査を始めた2014年以降で最も多かった。
管理職からさらに出世し、役員となる女性もまだ少なく、「役員に女性はいない」と答えた企業は59.0%。女性役員比率の全体平均は9.7%だった。
各社に実感と展望を聞いたところ、「女性管理職が5年前より増加した」と回答した企業は21.6%。「今後も女性管理職割合が増えるだろう」と見込む企業は24.6%だった。
女性役員については、「5年前より増加した」は8.2%、「今後も増加する」は7.5%だった。
女性管理職が少ないのは運輸業・建設業など
女性管理職の平均割合を業種別にみると、医薬品、繊維、郵便などで高く、建設、運輸、倉庫などで低かった。
女性を登用している企業からは、「男女にかかわらず有能な人を生かすことができた」「女性の労働観が変化してきた」「従業員のモチベーションが上がった」「業務が円滑に進んだ」――などの意見が出た。
一方、そうでない企業からは「女性社員には登用を望まない人もいるので、一律の制度設計は難しい」との指摘もあった。
帝国データバンクは「管理職・役員ともに割合は1桁台にとどまっているが、女性登用が緩やかに進んでいる様子はうかがえる。女性が活躍する機会の増加は、企業の持続的な成長に向けた重要な要素になりそうだ」と結論付けている。
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