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ロードスターの改良とスポーツカー談義:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/4 ページ)
マツダはロードスターとロードスターRFを商品改良して発売した。何がどう変わったのか。また、そこに秘められたマツダの思いとは。詳しく解説していこう。
7月26日。マツダはロードスターとロードスターRFを商品改良して発売した。まず、何が変わったのかについて書こう。
ソフトトップのロードスターとハードトップのロードスターRF、両車ともに加えられた変更点3点を最初に片付けてしまおう。ステアリング調整に伸び縮みのテレスコピックが追加された。もうひとつは衝突軽減ブレーキの採用だ。この機構的な2点に加えて、内装のレザーに新色のタンが加えられた。
新装備の背景
マツダは現行ロードスター(ND型)が発売された2014年の時点では、明言しないまでも「スポーツカーには余計なアシスト機能はいらないでしょ?」と思っていた節がある。世の中も「スポーツカーに運転支援なんて……」という空気が明らかにあった。
が、この4年で時代は急速に変わった。経済産業省はサポカー制度を作り、「官民一体」の掛け声で衝突軽減ブレーキとペダル踏み間違い加速などの啓発と予防に乗り出した。
マツダとしても、ここは経産省の最上位定義である「サポカーS・ワイドに全車対応」と言いたいところでもある。ということで、ロードスターにも運転支援系装備が用意されるようになった。今でも、硬派なスポーツカー乗りは「んなもん、いらねぇよ」と言うだろうが、小さな接触事故の1回でも防げれば、コストアップと節を曲げるくらいの代償は払う価値があるだろう。
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