阪神タイガースが低迷している“元凶”は誰か:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
今季もまた阪神タイガースがリーグ優勝を逃そうとしている。リーグ優勝は2005年を最後に今季も含めて、もう13シーズンも縁がない。弱い虎にイライラを募らせているファンは多いだろうが、チームの低迷を招いている元凶は誰か。
チーム低迷の元凶
さて、今のままでは末期的と評さざるを得ない金本体制だが、フロントはそれでも来季続投を内定させているようだ。すでに一部関係者の間では「夏場に入った時点で球団側は金本監督の来季続投方針を固め、本人にも内々で伝えた」との情報も伝わっており、よほどのことがない限りは現体制維持となりそうな気配が早々と漂い始めている。
「オーナーが監督就任オファーを出しながらなかなか了承しない金本氏に頭を下げ、ようやく受諾してもらった経緯があるから球団としてはそう簡単に契約を切れない」という見方もあり、そうなると今オフも大幅な刷新は図られそうもない。
そう考えて整理していくと13年間のV逸を招いている点も含めチーム低迷の元凶となっているのはフロントであり、親会社の幹部たちだろう。今季の戦力に関しても長距離砲として獲得した新助っ人のウィリン・ロサリオ内野手が歴史的汚点とも言える大失敗に終わり、推定年俸で3億4000万円をドブに捨てる格好となってしまった。「本当の年俸は5億円」と指摘するチーム関係者もいるだけに、笑うに笑えないレベルの失態だ。
前時代的発想が浮き彫りとなり、マネジメント能力に疑問符が付けられている金本監督を就任前の時点で適材か否かを結果的に判断できなかったところも大いに反省しなければ、この球団に未来はない。
1つ言い切れるのは選手たちだけでなく、金本監督自身と球団全体も「超変革」しなければ阪神の暗黒時代は残念ながらこの先も延々と続くことになる。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシア)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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