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コンビニの店舗面積はなぜ50〜60坪が多い?:もっと広い店舗じゃダメなの?(3/3 ページ)
大手コンビニチェーンの一般的な店舗面積は50〜60坪が標準とされているが、どのようなどのような経緯でこの広さに落ち着いたのか。調べてみるとコンビニの歴史にも関係する深い話を聞くことができた。
店舗面積を増やす実験
ローソンでは現在、店舗の品ぞろえを増やしたり、店舗面積を広くしたり、といった実験を行っているという。
背景にあるのはコンビニの主要顧客が若者からシニアや共働き家庭にシフトしていることだ。大局的な視点でみると、今後、若者の数は徐々に減っていく。一方、シニアや共働き家庭は増えていく。
そのため、ドラッグストアやスーパーが果たしている機能をコンビニで代替しようという流れができてきた。ローソンではこの戦略を「生活支援」と呼んでいる。例えば、豆腐、トイレットペーパー、チリ紙、洗剤、カット野菜、卵などの扱いを強化する店舗もある。商品数が増えるので、店内のゴンドラ数を従来の40個から45個程度に増やしたりしているという。
池田氏が所属する部署では、現在も新しい“標準店舗”の研究をしている。実験店舗で新しい商品を置いたり、店舗内のレイアウトを変えて、お客の反応を見ながら今後の店舗設計の参考にしている。
このように、コンビニは消費者のニーズの変化にあわせて、店舗面積や店内のレイアウトなどを少しずつ変えつつある。もしかしたら、将来はもっと面積の広い店舗や、狭い店舗が“標準”になるかもしれないのだ。
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