コンビニのアイスケース “ふたつき”と“ふたなし”がなぜ混在しているのか:調べてみたら意外に深かった(1/3 ページ)
アイスクリームを冷やすために使われているアイスケースには、“ふたつき”と“ふたなし”の2種類がある。同じコンビニチェーンでも店舗によってどちらかが設置されているのだが、その違いを調べていくと、意外な事実が見えてきた。
コンビニでアイスクリームを冷やすために用いられるアイスケースだが、ふたがついているアイスケースがある店舗と、ふたがついていないアイスケースがある店舗がある。どうして、同じコンビニチェーンでも“ふたつき”と“ふたなし”の店舗が混在しているのだろうか。そして、そもそも両者にはどんな違いがあるのだろうか。
ローソンの担当者にそんな素朴な疑問をぶつけたところ、意外に“深い”理由が見えてきた。
“ふたなし”を利用するメリット
ローソンではふたつきのアイスケースを「アイスクリームのケース」(以下、ケース)、ふたなしのアイスケースを「冷凍平台」(以下、平台)とそれぞれ呼んでいる。ローソンで販売じゅう器の開発などを手掛ける瀬藤秀文氏(開発本部建設部アシスタントマネジャー)によると、2015年以降、新規店舗の多くで平台を設置するようになったという。
平台を設置するメリットはいくつかある。
まず、同じサイズのケースと平台があったとすると、平台のほうが容量が大きい。近年、コンビニはアイスクリームや冷凍食品を強化しているが、より多くの商品を並べるには平台が向いている。
次に、平台はケースに比べてアイスが取り出しやすい。ふたを開けてからケースの奥にある商品を取るために身を乗り出した経験のある読者は多いだろう。一方、平台は4方向からアイスを取り出せる。ほとんどのコンビニでは平台が店の中央部付近に置かれており、1方向がゴンドラ(商品を陳列する棚)と接しているため、実質的には3方向なのだが、身を乗り出してアイスを取り出さなくてすむ。
このように、コンビニの戦略やお客の利便性を考えると、平台を選ぶメリットは大きいといえる。ちなみに、平台はケースと比べて電気代が2倍弱かかってしまうため、この点はデメリットとなる。
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