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「ローソン外国人店員研修」で500人育てた「カリスマママ教官」の愛のムチ:日本のおもてなし術の“伝道師”(1/4 ページ)
ローソンの外国人向け店員研修に記者が参加。指導役の女性が参加者の国の文化に配慮しつつ、厳しく丁寧に複雑なコンビニ業務をレクチャーした。
「教え子外国人500人」のトレーナー
「お店の人に会ったらいつも元気よくあいさつしてくださいね。店に入ったら『おはようございまーす!荷物置いてもいいですかー!』って。日本人はあいさつ大好きなんですよ」。
東京都新宿区のとあるローソンの店舗。奥にある事務スペースが今回の外国人向け店員研修の舞台だ。声を張り上げてあいさつやお辞儀の方法などを教えるのは、ローソン傘下で従業員の派遣などを手掛けるローソンスタッフ(新潟市)のチーフトレーナー、吉岡由美子さん。3年半の間、500人以上の外国人の教え子を現場に送り込んできたベテランだ。
今回研修を受けるのは、台湾出身の林柏彰さんと韓国から来た安成敏さん。2人とも24歳だ。林さんは日本語学校で勉強中で将来は日本で働くのが夢。安さんは韓国の大学の卒業を前にして、社会人になる前に1度外国に住んでみようと思い訪日した。
研修は1回3時間程度で全10回。ローソンの店舗での勤務を希望してきた外国人に対し、吉岡さんら指導役がレジの打ち方や商品の陳列、身だしなみや禁止事項に至るまで事細かに教育する。
研修中は教えた内容が身についているか吉岡さんが“カルテ”に評価を付ける。最終回では実際の店舗に立って接客を実践してもらい、合格ラインに達したと判断されれば卒業。その後は人手の足りないローソンの各店舗に、ローソンスタッフから派遣される助っ人として働くことになる。
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