ファミマがエアビーとタッグ、訪日客に照準:コンビニ、民泊パワーでインバウンドを取る(1/2 ページ)
ファミリーマートがエアビーアンドビーと提携した。民泊を利用する訪日客が宿泊先の鍵を店内で受け渡しできるようにして、インバウンド需要を取り込む。
ファミリーマートと宿泊施設仲介サイトのAirbnb(エアビーアンドビー)がタッグを組む。Airbnbの利用者(ゲスト)の宿泊先の鍵をファミマの店舗で受け渡しできるようにするほか、ゲスト向けの商品やサービス開発にも取り組む。狙いは民泊の主要ユーザーである訪日客。鍵の受け渡しをきっかけに外国人客を店舗に呼び込む。
コンビニ各社は民泊のゲスト向けの鍵受け渡しサービスに相次ぎ参入している。民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法が施行される6月15日以降、小売り業界のインバウンド争奪戦がさらに過熱しそうだ。
コンビニで民泊の鍵を受け渡し
ファミリーマートは6月15日以降、店舗に鍵を受け渡しできる専用ボックスを設置する。既に東京など4店舗で実験しており、都心部を中心に今年度は150店に拡大する。民泊の家主(ホスト)はまず鍵を近くのファミリーマートの店舗にあるボックスに預ける。Airbnbのサイトで宿泊先をあらかじめ予約してきたゲストは、店でボックスに併設されたタブレットを操作。情報を入力して鍵を受け取る。チェックアウトした後に店を訪れて鍵をボックスに入れる仕組み。
ファミリーマートは「ホストは1回、ゲストは2回必ず来店する。ファミマの店舗がホストとゲストの“ハブ”になる」(同社の担当者)と説明する。実際、実験店舗では鍵の受け渡しに来た人1人当たり800円程度を使ったというデータもあり、「売り上げに寄与すると期待している」(担当者)。
基本的にゲストがタブレットを操作するだけ。トラブル時にはゲスト自身がタブレットから民泊の代行業者や24時間対応の多言語のコールセンターに連絡するため、店員の負担にはほとんどならないという。ほかにもファミリーマートとAirbnbが相互に宣伝しあったり、ファミリーマートが訪日客向けの日用品や中食向け商品、観光サービスなどの開発を予定する。
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