コンビニのアイスケース “ふたつき”と“ふたなし”がなぜ混在しているのか:調べてみたら意外に深かった(2/3 ページ)
アイスクリームを冷やすために使われているアイスケースには、“ふたつき”と“ふたなし”の2種類がある。同じコンビニチェーンでも店舗によってどちらかが設置されているのだが、その違いを調べていくと、意外な事実が見えてきた。
平台を店舗の奥に設置しないといけない理由
平台とケースでは設置場所が異なる。瀬藤氏は「平台は店舗の入口付近ではなく、店の奥にあるケースがほとんどです」と説明するが、なぜなのか。
平台の弱点は、ふたがついていないため外気の影響を受けやすいことだ。具体的には、容器内を循環している冷気の流れが乱されると低温を保てなくなる。
冷気流れを乱す2大要素は「店舗の扉が開いたときに店内に流入する外気」と「店内の空調」だ。そのため、店舗の奥で空調の影響をあまり受けない場所に平台を設置するケースが多い。
一方、ふたがついているケースは温度変化に強い。ふたが直接外気を防いでいるのはもちろん、光や熱を遮断する特殊なシートがふたの内側に貼ってあるからだ。そのため、設置場所には制約が少ない。
平台の登場が店舗設計に与えた影響
一般的に、店舗内の外周(主に壁側)には、おにぎり、お弁当、飲料といった売れ筋商品が並んでいる。コンビニの主力商品の1つであるアイスも平台にシフトする以前は、おにぎりなどと同じように外周に置かれることが多かった。
平台が登場することで、これまで外周にあったアイス売場が店の中央部付近に移動するのだが、このことがローソンの店舗設計に少なからぬ影響を与えた。
まず、これまでアイスを販売していた外周のスペースが丸ごと空くので、ここをどう活用するのかという問題が発生する。近年、コンビニは購入した商品を店舗内で食べられるようにイートインスペースを増やしている。ローソンでもイートインは壁側に設置することが多いという。
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