マクドナルド元幹部が語った「スマイル0円」の真意と人材育成の極意:マクドナルド流の教育とは?(4/4 ページ)
1990年代後半、日本マクドナルドの社内育成機関である「マクドナルド大学」の学長に就任した有本均氏は、大量のアルバイトを短期間で店長代理に育成する必要に迫られた。数々の改革を打ち出し、周囲を説得した背景にあったのは「バイトでも教えればしっかりと育つ」という信念だった。
コンサルタントになって気づいたこと
有本氏はハンバーガー大学の仕事に一区切りつけた後、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正社長に招かれ、2003年にユニクロの社内教育機関であるユニクロ大学の大学部長に転じた。マクドナルドで培った経験を生かし、アルバイトの評価制度や新入社員の育成プログラムなどの作成を手掛けた。その後、バーガーキング・ジャパンの社長を経て、2012年にホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立。サービス業に特化した人材研修を手掛けている。
「コンサルタントをやりはじめて痛感するのは、『人は教えられてないことはできない』『評価されないことはしない』ということです。例えば、仕事ができない部下がいたとしましょう。原因は、上司がきちんと教育してないからかもしれません。もし、教えたのに仕事ができなかったとしたら、それはモチベーションの問題になります。つまり、人材育成においては、『教えるフェーズなのか』『モチベーションを高めるフェーズなのか』といったことをはっきりさせることが重要なのです」
日本マクドナルドでは「従業員に何を求めるか」「何ができたら評価するのか」が明確で、教育・研修体制にもそれがしっかりと組み込まれていたという。
マクドナルドの人材育成力の高さには定評があるが、その根源にあったのは非常にシンプルなことをしっかりと実行する“仕組み”にあったようだ。
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