試合後の会見を拒否した、巨人・高橋由伸監督の「過ち」:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
巨人の高橋由伸監督が、試合終了後の会見を拒否した。この行動に対して、多くのメディアは優しく報じているが、本当にそれでいいのだろうか。指揮官の会見拒否には意味がなければいけないのに、高橋監督は何を考えているのかよく分からなくて……。
弱過ぎるジャイアンツはつまらない
山口壽一オーナーは高橋監督に来季続投を要請する意向を示したものの、予想以上に周囲の反発は大きく、指揮官の去就にはまだまだ流動的な要素が見え隠れしているようだ(参照記事)。仮に本気でこのまま高橋監督を続投させるつもりならば、右腕となるべき有能なヘッドコーチの招へいを含めた大幅な内閣改造は言わずもがな、本人に意識改革の自覚を芽生えさせることも球団として強く求めていかなければならないだろう。前代未聞といえるG指揮官の会見拒否によって暗く、やる気のないイメージがさらに悪化してしまったことは由伸巨人にとってかなり深刻だ。
Aクラスの座を死守し、CS出場に滑り込めるのか。あるいは2年連続のBクラス、もしくは43年ぶりの最下位に沈んでしまうのか。まだ下克上からの日本一という道が狭まりながらもほんのわずかに残されているとはいえ、もしかすると今回の会見拒否はチームの士気を削ぎ、その行く手を阻む致命的な大規模崩落へとつながってしまったのかもしれない。
最後に1つ言いたい。ここまで弱過ぎるジャイアンツはつまらないし、プロ野球界にとってもマイナスだ。アンチファンや他球団を応援している人たちも「強い巨人」を倒してこそ熱狂し、盛り上がる。高橋監督の続投うんぬんはともかく、もういい加減に巨人のフロントは球団ワーストタイとなった4年連続V逸の現状に目を覚まして本気でチーム再建に取り組んでほしい。特にG党の怒りは今、頂点に達していることを肝に銘じるべきである。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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