上場以来の最高益なのに評価はイマイチ? マクドナルドの事例で学ぶ株価の謎:超初心者のための株講座(2/4 ページ)
2001年に上場して以来の最高益となった日本マクドナルドホールディングスだが、足元の株価は好調とはいえない。知っているようで知らない株価の仕組みを分かりやすく解説する。
将来を見通すのは困難
しかし、将来のことは誰にも分からないため、ある程度の見通しを立てることはできても、「どのくらい稼げそうなのか?」という具体的なところまで踏み込むと、意見が分かれます。業績の予想は、企業自身が発表するものと、その企業を取材してウォッチしているアナリストや記者といった業界関係者が予想するものがありますが、それらがバラバラになったりすることは珍しくありません。
ちなみに、企業自身が発表する業績予想を「会社予想」、アナリストや記者などが予想したものは「市場予想」とそれぞれ呼びます。市場予想については、各アナリストの予想を金融情報を提供するQUICK社が集計して平均した「QUICKコンセンサス」が有名です。また、個人投資家のバイブルとされる『会社四季報』(東洋経済新報社)にも、記者が予想した市場予想が掲載されています。さらに、四季報には会社予想の数字も載っているため比較しやすくなっています。
市場予想は「もっと稼げるだろう」
では、現時点でのマクドナルドの業績予想はどうなっているのでしょうか。マクドナルドの決算期は12月ですが、1月から6月までの上半期の業績を8月9日に発表しました。発表内容を見ると、決算期となる12月末までの売上高が2690億円、純利益は195億円になる見込みと予想しています。一方、9月に発売された『会社四季報』(2018年秋号)の市場予想では、売上高が2730億円、純利益が217億円となっていて、会社予想の数字に比べて市場予想の数字の方が高くなっています。つまり、市場予想では「いやいや、もっと稼げるでしょ」と、期待値のハードルが高くなっているわけです。
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