新しく就任した大臣が「失言」を繰り返す、3つの理由:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
内閣改造の風物詩ともいうべき、「大臣の首を取りましょうキャンペーン」が本格化している。それにしても、なぜ新たに就任した大臣は「失言」を繰り返すのか。筆者の窪田氏の分析によると……。
次から次へとクビをはねられていく現象
今回も既に柴山昌彦文科相の周りで、「教育勅語を現代に復活させるべきなどけしからん」という祭りが始まり、マスコミだけではなく、教育関係者も巻き込んで大盛況のまま幕を閉じた。この興奮も冷めやらぬうち、放射性物質で汚染されたゴミの焼却灰を「人の住めなくなった福島に置けばいい」と発言するなど安定の失言癖を持つ五輪相が標的として定まり、次の祭りの準備も粛々と進められている状況なのだ。
なんて話をすると、「問題大臣をかばうなんてこいつは安倍応援団だ!」とか「いや、権力の暴走を監視してくださる立派なマスコミを茶化すなど低脳ネトウヨに違いない!」という怒りのクレームがじゃんじゃか飛んできそうなので断っておくと、筆者は改造内閣の大臣がどうなろうとも、マスコミの皆さんがどういうキャンペーンを仕掛けようとも、ぶっちゃけそこにはあまり関心がない。
では、なぜこんなお話をするのかというと、日本の大臣という人々が、その偉そうな肩書きのわりには、「失言」やら「問題発言」によって、ブラック企業に勤める若者のように、次から次へとクビをはねられていく現象が興味深くてしょうがないからだ。
「ヒトラー安倍の下で、軍国主義に毒されているようなヤツらが大臣など務まるわけがないだろ、この低学歴が!」という憎しみのこもった叫びが聞こえてきそうだが、実はこの傾向は民主党政権時代から変わらない。
失言大臣ばかりなので、どんどん忘れ去られていくが、福島第一原発を視察した後に記者に対して、「放射能を分けてやるよ」と大はしゃぎしたような大臣もいたし、県知事との会合で待たされたことにプチンとキレて説教し、それを見ていた記者に「これを書いたらその社は終わりだからな」と恫喝をした復興大臣もいた。
つまり、大臣が失言や問題発言を繰り返す現象は、与党とか野党とか、保守とかリベラルとか一切関係ないのだ。
では、何が関係するのか。報道対策アドバイザーとして、企業の経営者や政治家というリーダーがボコボコに叩かれるパターンを山ほど分析してきた立場から私見を述べさせていただくと、これには「大臣」ならではの職業病というか、この役職を目指す人のキャラクターも大きく関係している可能性が高い。それらを分かりやすく整理をすると、以下の3点に集約される。
(1)「大臣の椅子」への執着が強すぎて地に足がついていない
(2)政治家としてマスコミ対応をこなしてきた「自信」が裏目に
(3)記者の「誘導質問」のかわし方を知らない
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