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「仮想通貨は全ての詐欺行為とバブルの元凶」 米経済学者、ブロックチェーンも酷評: “FOMO”につけこまれた無知な投資家
ニューヨーク大学で教授を務める経済学者のヌリエル・ルビーニ氏が10月11日に開かれた米上院委員会の公聴会の場で「仮想通貨は全ての詐欺行為とバブルの元凶だ」と警告した。
仮想通貨は全ての詐欺行為とバブルの元凶だ――。米ニューヨーク大学で教授を務める経済学者のヌリエル・ルビーニ氏が10月11日に開かれた米上院委員会の公聴会の場でこう警告した。米CNBCが報じた。
ルビーニ氏によると、ビットコイン価格が2万ドル近くまで急騰し、仮想通貨市場が異様な熱狂に包まれていた2017年末に、多くの投資初心者がビットコインや仮想通貨に半ば騙される形で資金を投じてしまったという。
詐欺師や犯罪者などは無知な個人投資家の“機会損失に対する不安心理”(FOMO、the Fear of Missing Out)につけこみ、詐欺まがいの金融商品を高値で購入させ、数カ月後にはバブル崩壊を経験させたと主張した。
さらに、仮想通貨の運営を支える技術の1つでもあるブロックチェーン(分散型取引台帳)についても「ブロックチェーンは貧困や飢饉(ききん)、病気などの国際問題を解決に導き得る新技術として注目されている。だが、これは過剰に宣伝されており、人類史で最も有用性に欠ける技術だ」と酷評。
ルビーニ氏は既存の表計算ソフトやデータベースの方がよほど役に立つとし、「ブロックチェーンが今後広く普及することはない」と切り捨てた。
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