お金についての悩みを、FPにチャットで相談できる「お金の健康診断」本格稼働:質問に答えて適切なFPとマッチング
お金や資産運用について漠然とした不安を持っているが、誰に相談したらいいか分からない。そんな人とファイナンシャルプランナーをマッチングさせるサービスが本格稼働する。提供するのはロボアドバイザー「THEO」を提供するおかねのデザインの子会社。無料で利用が可能だ。
将来のお金や資産運用について、漠然とした不安を持っているが、誰に相談したらいいか分からない――そんな人向けに、ファイナンシャルプランナー(FP)に無料でチャット相談できるサービス「お金の健康診断」が本格的にサービス展開を始めた。
ロボアドバイザー「THEO」を提供する、お金のデザインの子会社400Fが提供するもの。年齢や居住地、年収や貯蓄額、家族構成などの質問に答えていくと、地域年齢などから同世代との比較を行い、お金に関する「問診票」を表示する。これを元に、システムが複数のFPから最適な人を自動的にマッチングを行う。その後、FPとWebブラウザ上でチャットを行い相談ができるという流れだ。
お金のデザインの中村仁社長は、「(サイトに来た方のうち)74%の方が診断完了、そのうち70%がチャットを予約している。半数の方がマッチングしている。ちょっとしたお金の悩みでも、これまで相談できませんでした、という方が多い」と話す。
お金や資産運用に関する相談は、歴史的に銀行や証券会社など店頭での対面相談が中心だったが、年々来店者数は減っている。インターネットでの情報収集へのシフトが進んでいるが、専門家にちょっとした相談ができる場は少なかった。
「例えば、子育て中の方は店舗に行くことはできないが、チャットなら子供をあやしながらでもできる。マッチングのアルゴリズムも重要だと思っていて、子育てをしている女性に独身男性FPをマッチさせてもたいへん相性が悪い。悩みが共有できない」(中村社長)
FP資格を持つ人は増加傾向にあるが、金融機関などに所属しない独立FPにとっては、依頼者を見つける方法が課題だった。「お金の健康診断」のようなマッチングサービスを使うことで、お金について悩んでいる人と、お金の悩みを解決するFPの双方のニーズを満たすのが狙いだ。
事業モデルとしては、FPから料金をもらうことで利用者には無料で提供する形を取る。また、マッチングに特化し、サービス内でFPが保険や金融商品などの提案をすることは禁止している。FPからの強引な保険などの勧誘を防ぐため、FPごとにユーザーが点数を付けるレーティング機能も用意した。
お金のデザインも資産運用サービスTHEOを運営しているが、お金の健康診断はあくまで独立して提供する意向だ。「お金の健康診断をTHEOに結びつけようとは思っていない。こうしたプラットフォームは中立、公正であることが最も重要。グループというより独立してサービスを磨いていく」(中村社長)
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