400万DLの女性向けアプリを立ち上げた、新卒男性リーダーの成長:若手がチームを率いた(4/4 ページ)
Gunosyが2017年にリリースした女性向け情報アプリ「LUCRA」が400万ダウンロードを突破。立ち上げたのは、若手男性社員である渡辺謙太さんだ。「若手」「男性」という不利を跳ね飛ばし、新サービスをヒットに導いた渡辺さんの仕事術とは?
「腹を割って話す」ためのコミュニケーション
若手でありながらチームをまとめる立場になった渡辺さん。最初は開発メンバーの3人だけだったチームは、今では10人以上の部署になり、さまざまな年齢や立場の人が所属するようになった。「チームが大きくなるにつれて、コミュニケーションの面で悩むこともありました」と振り返る。
特に、自分よりも年上で経験もあるメンバーには、自分の意思や指示をうまく伝えれらなかった。「どうすれば動いてもらえるのか、分かりませんでした。なかなか腹を割って話すことができなかったんです」
接し方や指示の出し方など、試行錯誤を重ねて学んだのは、「自分の“弱み”を素直に伝える」ことの大切さだった。チームメンバーの仕事を振り返るだけでなく、自分自身についての振り返りもメンバーと共有する。そして、「自分ができなかったことや苦手なことを1on1(1対1のミーティング)の場で伝えて、助けてもらうようにしました。できないことを素直に伝えると『こうやるといいよ』と教えてくれたり、得意な分野で助けてくれたりする人が増え、とても動きやすくなりました」
今では「まだパーフェクトではないが、いいチーム」になった。これからもお互いの強みと弱みを理解し合い、より「腹を割って話せる」関係になっていきたいという。「事業をやっていく上で、業績が伸びているときとそうでないときもありますが、良くないときもみんなで頑張れる、変化に強いチームにしていきたいです」と意気込む。
LUCRAは、コンテンツの改良と開発チームの成長によって進化を続けている。渡辺さんは「LUCRAをより大きなメディアにしていくことが最大のミッション」と語る。さらに、女性のライフスタイルや消費行動をサービスに生かす面白さを知ったことで、「女性向けサービスをさらに深掘りしてみたい」という目標もできた。
「将来的には、100〜200人が関わる大きな規模の事業を動かしていけるように、ステップアップしていきたいです」と話す渡辺さん。試行錯誤でさまざまな逆風をはねのけた経験は、キャリアの中で大きな自信になった。
関連記事
- 回転すしの厨房はどうなっている? くら寿司で働く若きリーダーに見せてもらった
大手回転すしチェーンは安くてうまいすしを迅速に提供することで成長を続けてきたが、そのビジネスを支える厨房はどのようになっているのだろうか。くら寿司の新店オープンを次々と手掛ける若きリーダーに話を聞いた。 - 「最後の希望の光」モンストと歩んだミクシィの4年間
4周年を迎えたスマホゲーム「モンスターストライク」は、ミクシィという会社を救ったタイトルとしても知られている。モンストのヒットで、ミクシィはどのように変わったのか? 「モンスト」に立ち上げから関わるミクシィ森田仁基社長インタビュー。 - 「1本3000円」のシャープペンをヒット商品にした、“近寄りがたさ”
ぺんてるが2017年に発売した高級シャープペンシル「オレンズネロ」。1本3000円という価格でも、幅広い層に受け入れられ、ヒット商品になった。何が多くの人の心をつかんだのか。企画担当者の取り組みに迫った。 - “若手発信”のプロジェクトが職場を変えた 新卒社員の奮闘
社内コミュニケーションの活性化が課題となっている企業は多いだろう。オフィス家具メーカー、プラスの渡辺さんと村山さんは、新卒入社してすぐに社内活性化プロジェクトを担当し、社内の雰囲気を少しずつ変えている。どのように他の社員を巻き込んだのか。 - 赤字の海外事業を立て直したサイゼリヤの「たたき上げ役員」
サイゼリヤは中国やシンガポールなどの海外6法人で約370店舗を運営している。同社の利益に大きく貢献する存在に育った海外事業だが、進出当初は赤字に苦しんだ。その事業を立て直したのはサイゼリヤ一筋で働いてきた「たたき上げ役員」だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.