寝る前の「お酒・牛乳・運動」でホントに熟睡できる? 医師に聞いた結果は……:睡眠に満足できない人多数
睡眠の質に満足できない人が多いことがドコモ・ヘルスケアの調査で判明。よく眠るための工夫は「晩酌」「運動」などが挙がった。本当に効果的なのか、同社が内科医の見解を発表した。
自分の睡眠の質に満足している人は32%――。健康支援サービスを手掛けるドコモ・ヘルスケア(東京都渋谷区)の調査でこんな事実が分かった。睡眠に満足できない人のうち、20〜30代は「寝ても疲れが取れない」、40〜60代は「途中で目が覚める」などの悩みを抱えていた。
年代を問わず「寝ているのに昼間に眠くなる」「寝つきが悪い」といった課題を抱える人も多かった。このうち、寝つきが悪い人は、その要因に「眠くならない」(48%)、「周囲の音が気になる」(17%)、「寝具が合わない」(10%)などを挙げていた。
こうした悩みを解決し、よく眠るために行っている工夫には「運動する」「アルコールを飲む」「牛乳を飲む」「決まった時間に寝る」などがあった。
内科医の工藤孝文氏は一連の意見に対し、「適度な運動で体が疲れると快眠の効果があるが、夜遅くにジムでトレーニングをすると寝つきが悪くなる。運動は夕方までに行うほうが、睡眠には効果的」と指摘。
「アルコールには入眠作用があるが、3時間ほどで分解され、睡眠を妨げる物質へと変わるため、熟睡できなくなる。一方、牛乳などの乳製品はよく眠れるホルモン『メラトニン』のもとになる物質を多く含むため効果的」としている。
ただ、決まった時間に寝ることについては「眠くないのにベッドに入ると、ベッドの中で考え事をする習慣がつき、寝つきが悪くなる恐れがある」とし、「ベッドに入るのは眠くなってからにし、起きる時間をそろえる習慣をつけると、睡眠の質がよくなる」と提言している。
調査のうち、睡眠データの分析は2018年1月〜7月に実施。ドコモ・ヘルスケアのウェアラブルデバイス「ムーヴバンド3」のユーザー2万2099人のデータを対象とした。睡眠を巡るアンケートは18年8月1〜5日にインターネット上で実施し、1475人から回答を得た。
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