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オホーツク“夢の庭”と生きる77歳「花の神様」から教えられたこと:60年以上かけて築き上げた「遺産」(7/7 ページ)
「日本一変わっている花園 陽殖園」――。オホーツク海に近い、人口2600人ほどの北海道滝上(たきのうえ)町に60年以上かけて「奇跡の庭」を作り上げたのは77歳になる高橋武市さんだ。小さな町に全国から観光客が訪れる理由、武市さんの仕事観を聞いた。
「今まで生きてきた中で今が一番」 生涯現役貫く
武市さんは、「今まで生きてきた中で今が一番」だと言う。「俺の人生でね。人と比べて、ではないよ。始めた当時はお金も入ってこないし身体も壊しかけた。山だった場所に道を作るんだから大変だよ。果てしないことに思えた。でも続けてきたからこそ、今になってその積み重ねが生きてくる。だから今が幸せになるんだ。これからも自分の命が続く限りこの花園を作り続けるよ。でも俺が死んだら終わりだ。生涯現役を目指すには『自分で』やらないとダメなんだよ」
武市さんは77歳、独身だ。陽殖園も「俺一代のもの」と言い切る。武市さんが一から作り上げた広大な「へんてこ植物園」も、彼が亡くなれば管理する人はいなくなるのだ。
武市さんが生涯をかけて守りたいものは何なのだろうか。東京から遠く離れた北海道の地で、仕事とは何か、生きることとは何なのかを問いかけられた気がした。武市さんは来年の開園を目指して、今日も「庭」をいじり続けている。
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