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「米粒スパイチップ」だけじゃない 中国に“情報を盗まれる”恐怖世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

米大手企業に対する中国のハッキング疑惑が報じられ、話題になった。しかし、その手口はこれまでも世界中で行われてきたサイバー工作だ。中国があの手この手で実践してきた、ターゲットが気付かないうちに膨大な情報を盗み出す手法とは……

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 10月13日、大阪のABC朝日放送の「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」という情報番組に出演した。番組では国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)総裁が突如行方不明になった事件について話をしたのだが、この番組中に扱われた別のニュースの中で興味深い話が取り上げられた。

 その話とは、米ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌が10月8日号で10ページにわたって報じた、中国によるハッキング疑惑についてだ。中国が、米大手企業が使うサーバなどのマザーボードにチップを埋め込んで、いくつもの企業に不正アクセスしていた可能性を記事は指摘している。

 このニュースに、問題のマザーボードを販売したスーパーマイクロ社や、それを導入していたApple(アップル)やAmazon(アマゾン)、さらに米政府までもが否定する事態になったのだが、実はこのニュースは意外でも何でもない。というのも、サイバー安全保障の関係者にしてみれば、この手口はこれまでも各地で行われてきたサイバースパイ工作だからである。

 このニュースに限らず、いま、世界を見るとこうした工作はもはや当たり前のように行われている。その実態は、私たちが思っている以上に深刻だ。そこで今回は、その一端を紹介したい。

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サイバースパイ工作は当たり前のように行われている。その実態とは……(画像提供:ゲッティイメージズ)
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